今回にレース史上初の3連覇が懸かるミスタースタニングだが、偉業達成には黄色信号が点灯している状態だ。初優勝した2017年は前哨戦のジョッキークラブスプリントを含む重賞3連勝と日の出の勢いも、その後の3戦は2着続きと詰めを欠いた。連覇を達成した昨年は香港スプリントを勝っただけで5戦1勝。残り4戦は2着と3着が各2回と、2017年と同様に堅実な一方で勝ち切れないレースを続けた。2017年の香港スプリント以降では、このレースしか勝っていないことになる。しかも、4月のチェアマンズスプリントプライズを右前肢の脚部不安で直前回避している。

脚部不安の影響で今季は始動も遅れた。香港スプリントは2017年が4戦目、2018年は3戦目で迎えたが、今季は前走のジョッキークラブスプリントが初戦。その内容は好スタートからH.ボウマン騎手が中団に控えさせる一方、追い出して反応が鈍いと見るや最後は流すような格好で8着というものだった。無理こそしていないものの、勝ち馬から5馬身という着差はキャリア最悪。過去3シーズンの初戦も最高で3着と、ひと叩きで変わるタイプではあるが、負けても2馬身3/4差までだっただけに、果たして本番までにどれだけ状態を上げられるか。王者の底力が試される。