安田記念で待望のG1制覇を飾ったダノンキングリーが、この香港マイルをさらなるステップアップの好機とできるか──。3歳時にはクラシック戦線で3強を形成し、勝利こそならなかったものの皐月賞3着、ダービー2着と華々しく活躍。秋の毎日王冠では古馬を一蹴し、次代を担う逸材として期待は一段とふくらんだ。しかし、その矢先にデビューから手綱を取ってきた戸崎圭太騎手が負傷。適鞍と思われたマイルCSは乗り替わりになると、外が伸びる馬場で最内枠も徒となって5着に終わった。

明け4歳初戦の中山記念でもG1ホース4頭を完封する一方、大阪杯ではクビ2つ差で3着に惜敗。G1になると何かが足りないもどかしい状態が続くと、その後は安田記念で見せ場を作れず、天皇賞（秋）ではまさかの最下位に沈んで完全に歯車が狂ってしまった。立て直しには7か月の時間を要し、ようやく復帰できたのが今春の安田記念。単勝47.6倍まで評価を落としたが、マイル女王グランアレグリアとの接戦を制して復活の狼煙を上げた。

前走の毎日王冠は瞬発力を生かす勝ちパターンではなく、後方からかなり早く動いて惜敗したが、川田将雅騎手によると安田記念よりはるかに状態が良く、ダノンキングリーの気持ちが入っていたためゲートから出していけなかった結果。確かな手応えを得て迎える今回は期待できそうだ。