香港競馬の史上最強へ、着実に階段を上るゴールデンシックスティ。昨年の香港マイルは4歳三冠の実績を引っ提げつつ、初の国際的な舞台で試金石とされる一戦だったが、前年の覇者アドマイヤマーズらを並ぶ間もなく差し切り、楽々と2馬身突き抜ける衝撃的な世界デビューとなった。その後は2000mの香港ゴールドCにも脚を伸ばす一方、チャンピオンズマイルまで連勝を続け、年度代表馬をはじめ最優秀マイラー、最優秀中距離馬の3部門でタイトルを獲得。現役最強の座を確固たるものにした。

今シーズンは昨シーズンより1か月長い7か月の十分な休養を経て戦列に復帰。昨シーズンは3戦目で迎えたジョッキークラブマイルを初戦に選択すると、ポツンと離れた最後方から大外回しで1馬身突き抜け難なく試走を終えた。C.ホー騎手がひと叩きでの上積みを強調すれば、K.ルイ調教師は香港マイル以降は未定と全力投球の構えを見せており、大一番へ死角なしの態勢を築いている。

そのモチベーションの1つには記録があるだろう。香港マイルを勝てばビューティージェネレーションを超える19勝目で香港における新記録を達成することになる。それと同時に16連勝に到達し、サイレントウィットネスの記録にあと1勝と迫る。香港を代表するレジェンドホース超えが目前に迫る今、勝利への意欲は以前にも増して高まっている。