日本調教馬は参戦機会3連勝中、入着率5割に迫る支配力を発揮
日本調教馬は香港ヴァーズ創設の1994年にエイシンテネシーが参戦。2000年のG1昇格後では香港Cに次ぐ5勝を記録し、延べ25頭で12頭が3着以内に好走と入着率は5割に迫る。2016年以降は常に上位争いを演じ、2022年までの参戦機会では3連勝中(遠征馬がいなかった2020年を除く)と抜群の実績を残している。
日本調教馬の香港ヴァーズ初制覇はレース創設から7年目の2001年だが、参戦頭数では5頭目という比較的早いものだった。1勝目をもたらしたステイゴールドは6歳の目黒記念で待望の重賞初制覇を飾り、7歳で日経新春杯、さらに海外初遠征のドバイシーマクラシック(当時G2)と連勝して「善戦マン」の異名を徐々に返上。2着4回と跳ね返されてきたG1制覇を賭け、香港ヴァーズで引退戦に臨んだ。
レースではゴドルフィンのエクラールが2番手から早めにピッチを上げ、中団追走のステイゴールは逆転不可能にも思われる差を広げられた。それでも、しぶとく追い上げると最後の100mから飛ぶような加速で接近。最後の一完歩で際どく逆転し、アタマ差で文字通りのラストチャンスをものにした。現地表記の「黄金旅程」という馬名を体現するかのような大団円は、競馬史に残るドラマとして語り継がれることになった。
ステイゴールドの劇的な勝利後は2005年にシックスセンスが2着、ジャガーメイルも2008年(3着)と2012年(2着)に善戦。その一方で日本調教馬は15年も白星から遠ざかったが、2016年にサトノクラウンが2勝目を挙げると堰を切ったように躍進する。
そのサトノクラウンは単勝20倍の7番人気ながら、前年の覇者で1.5倍の圧倒的人気を集めるアイルランドのハイランドリールを鮮やかに差し切っての金星。ハイランドリールは2017年に巻き返して2勝目を挙げ、その3着にトーセンバジルが続く。2018年にはリスグラシューが地元の雄エグザルタントと叩き合ってクビ差の2着と優勝に迫った。
そして、2019年はグローリーヴェイズが馬群の中からエグザルタントを急襲し、3馬身半突き抜ける圧勝劇。2着にはラッキーライラックが続き、日本勢初のワンツーフィニッシュを決めた。グローリーヴェイズは2021年に日本調教馬として初の2勝目を挙げると、3勝目を狙った2022年は3着に終わるも、代わってウインマリリンが大外一気に勝利をさらい、日本勢の連勝(参戦機会)を「3」に伸ばした。
年 | 馬名 | 性齢 | 着順 | 騎手 | 調教師 |
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2022 | ウインマリリン | 牝5 | 1 | D.レーン | 手塚貴久 |
グローリーヴェイズ | 牡7 | 3 | J.モレイラ | 尾関知人 | |
2021 | グローリーヴェイズ | 牡6 | 1 | J.モレイラ | 尾関知人 |
ステイフーリッシュ | 牡6 | 5 | C.ホー | 矢作芳人 | |
2019 | グローリーヴェイズ | 牡4 | 1 | J.モレイラ | 尾関知人 |
ラッキーライラック | 牝4 | 2 | C.スミヨン | 松永幹夫 | |
ディアドラ | 牝5 | 4 | O.マーフィー | 橋田満 | |
2018 | リスグラシュー | 牝4 | 2 | J.モレイラ | 矢作芳人 |
クロコスミア | 牝5 | 10 | 岩田康誠 | 西浦勝一 | |
2017 | トーセンバジル | 牡5 | 3 | J.モレイラ | 藤原英昭 |
キセキ | 牡3 | 9 | M.デムーロ | 角居勝彦 | |
2016 | サトノクラウン | 牡4 | 1 | J.モレイラ | 堀宣行 |
ヌーヴォレコルト | 牝5 | 4 | 岩田康誠 | 斎藤誠 | |
スマートレイアー | 牝6 | 5 | 武豊 | 大久保龍志 | |
2014 | カレンミロティック | セ6 | 5 | 池添謙一 | 平田修 |
2013 | アスカクリチャン | 牡6 | 7 | 岩田康誠 | 須貝尚介 |
2012 | ジャガーメイル | 牡8 | 2 | D.ホワイト | 堀宣行 |
2011 | トレイルブレイザー | 牡4 | 6 | 安藤勝己 | 池江泰寿 |
2010 | ジャガーメイル | 牡6 | 4 | C.ウィリアムズ | 堀宣行 |
2009 | ジャガーメイル | 牡5 | 4 | C.スミヨン | 堀宣行 |
2008 | ジャガーメイル | 牡4 | 3 | M.キネーン | 堀宣行 |
2006 | ソングオブウインド | 牡3 | 4 | 武幸四郎 | 浅見秀一 |
アドマイヤメイン | 牡3 | 8 | 武豊 | 橋田満 | |
2005 | シックスセンス | 牡3 | 2 | 四位洋文 | 長浜博之 |
2001 | ステイゴールド | 牡7 | 1 | 武豊 | 池江泰郎 |
1999 | ローゼンカバリー | 牡6 | 7 | 菊沢隆徳 | 鈴木康弘 |
1997 | エイシンサンサン | 牝5 | 12 | 武豊 | 坂口正則 |
1995 | タニノクリエイト | 牡3 | 4 | 蛯名正義 | 森秀行 |
1994 | エイシンテネシー | 牝5 | 4 | 増井裕 | 坂口正則 |