【世界の調教師紹介 Vol.27】ゲイ・ウォーターハウス
2020年01月08日 14:50
オーストラリア、そして世界を代表する女性調教師のひとりであるゲイ・ウォーターハウス調教師は1954年9月2日、オーストラリア生まれ。父は1952/53年シーズンから1984/85年シーズンまで33シーズン連続してニューサウスウェールズ州のメトロポリタン(主要競馬場)におけるリーディングに輝き、オーストラリア競馬の殿堂入りを果たした名調教師トミー・スミス。
ニューサウスウェールズ大学を卒業した後はモデルや女優として活躍し、やがて父に15年間師事。92年1月に調教師免許を取得して、父が管理していたタロックロッジというシドニーのランドウィック競馬場にある厩舎を引き継いだ。同年3月に自身の管理馬として初出走させたギフテッドポエットで初勝利。同年10月には同じくG1初出走となったテアカウニックでG1メトロポリタンHを制した。
その後、開業5シーズン目の1996/97年シーズンにニューサウスウェールズ州のメトロポリタンにおけるリーディングを初めて獲得。以降、2000/01年、2001/02年、2002/03年、2004/05年、2007/08年、2008/09年と計7度タイトルを手にし、2007年には父娘2代のオーストラリア競馬殿堂入りを果たした。
2歳戦の強さには特に定評があり、2歳戦としては世界最高賞金を誇るG1ゴールデンスリッパーは史上初となる1~3着独占で初勝利を飾った2001年(勝ち馬ハーハー)のほか、2004年ダンスヒーロー、2008年シーブリング、2012年ピエロ、2013年オーヴァーリーチ、2015年ヴァンクーヴァーで計6勝を挙げ、これは父に並ぶ最多記録となっている。
また、G1ドンカスターマイルは1994~97年の4連覇を含む7勝でこれも父と並ぶ最多記録。2013年にはオーストラリアの女性調教師として初めてG1メルボルンカップも制している(勝ち馬フィオレンテ)。16年8月からはそれまでアシスタントトレーナーを務めていたエイドリアン・ボット調教師と共同名義で調教にあたっている。
近年のG1勝ち
2019年
なし
2018年
タタソールズティアラ(オーストラリア):プロンプトレスポンス
ドゥームベン10000(オーストラリア):イングリッシュ
2017年
ケネディオークス(オーストラリア):ピノ
2016年
豪1000ギニー(オーストラリア):グローバルグラマー
フライトS(オーストラリア):グローバルグラマー
オールエイジドS(オーストラリア):イングリッシュ
*2016年オールエイジドS以降はエイドリアン・ボット調教師と共同名義
文:秋山 響(TPC)