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【世界の調教師紹介 Vol.26】ジム・ボルジャー

2019年11月27日 15:00

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アイルランドの平地チャンピオントレーナーに1991、1992年と2度輝く、同国を代表する伯楽であるジム・ボルジャー調教師はアイルランド出身で、1941年12月25日生まれ。1976年に調教師免許を取得し、同年9月にアイルランドの障害レースで初勝利を挙げた。

当初は牝馬の扱いの巧みさで名を上げ、1981年には牝馬のコンデッサでイギリスのヨークシャーオークスを制してG1初制覇。その後もG1英1000ギニーとG1愛1000ギニーを制したフィンスケールビオ、G1香港カップを勝ったアレクサンダーゴールドラン、G1英オークスの勝ち馬ジェットスキーレディ、G1アイリッシュチャンピオンステークスのパークエクスプレスなど数多くの名牝を手がけてきた。

マニング騎手(右)とレース前のコース確認をするボルジャー師。(Photo by Getty Images)

牡馬で最初に大きなタイトルを掴んだのは1992年のこと。セントジョヴァイトでG1愛ダービーとG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを制して、その名声をさらに高めた。2008年には前記パークエクスプレスの産駒であるニューアプローチ(元々はボルジャー夫人の持ち馬。モハメド殿下がトレードして、夫人であるハヤ王女にプレゼントした)でG1英ダービー、G1英チャンピオン、G1愛チャンピオンSなどにも優勝している。

生産者としての側面も見逃せない。たとえば2006年のG1デューハーストステークスの勝ち馬で、欧州最優秀2歳牡馬のテオフィロ、2012年の欧州最優秀2歳牡馬で、翌年のG1英2000ギニーを制したドーンアプローチ、そしてテオフィロの産駒で、2013年のG1愛ダービーを勝ったトレーディングレザーは全てボルジャー調教師の生産馬で、彼自らが調教を手がけた馬だ。

指導者としての功績も極めて大きい。A.オブライエン調教師(アイルランドの平地チャンピオントレーナー21回)、W.マリンズ調教師(アイルランドの障害チャンピオントレーナー13回、ブラックステアマウンテンで中山グランドジャンプ優勝)、A.マッコイ元騎手(英障害チャンピオンジョッキー20回)などは彼の門下生。武豊騎手が2017年に受賞したことで話題になったロンジンIFHA国際功労賞(国際競馬において顕著な功績を残し、競馬発展のために多大な貢献をもたらした競馬関係者に贈られる賞)の記念すべき第1回目の受賞者でもある。

近年のG1勝ち
2017年
愛ナショナルS(アイルランド):ヴァーバルデクスタリティ

文:秋山 響(TPC)

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