【世界の調教師紹介 Vol.35】ジョン・サドラー
2020年12月02日 15:00
アメリカのジョン・サドラー調教師は1956年7月30日、カリフォルニア州生まれ。若い頃は障害馬術選手としてオリンピックを目指した時期もあった。
オレゴン大学を卒業後、カリフォルニアに戻り、著名な獣医師だったジャック・ロビンズ氏の助手となった。その後、デヴィッド・ホフマンズ調教師のアシスタントを経て、22歳だった1978年に調教師免許を取得。翌1979年に初勝利を挙げた。1991年にはサンタアニタパーク競馬場で初となるマッチレース(ダート880ヤード)でサラブレッドのヴァリアントピートでクォーターホースのチャンピオンであるグリスウォルドを下して優勝して話題となった。
重賞初制覇はドンロベルトで制した1982年のG3ローリングリーンHと早かったが、G1はアワニューリクルートで勝った2004年のドバイゴールデンシャヒーンが最初と少し時間がかかった。
しかし、その後は堰を切ったようにG1に勝ち、2006年以降は2020年まで15年連続のG1制覇。サンタアニタパーク、デルマー、そして今は無きハリウッドパーク競馬場の南カリフォルニアの3大競馬場で計13度も開催リーディングを獲得している。
近年は大舞台での活躍が目立ち、2015年はG1サンタアニタオークスに勝ち、G1・BCディスタフ2着のステラーウインドで米最優秀3歳牝馬を獲得。2018年には同年の米最優秀ダート古牡馬に選ばれることになるアクセラレイトでG1サンタアニタH、G1ゴールドカップアットサンタアニタS、G1パシフィッククラシック、G1オーサムアゲインS、そしてG1・BCクラシックに優勝。悲願のブリーダーズカップ制覇を果たした。また、2018年から2020年にかけてはアクセラレイト、ギフトボックス、コンバタントでG1サンタアニタHを制覇。調教師として同レース史上初の3連覇を決めた。
近年のG1勝ち
2020年
サンタアニタH(アメリカ):コンバタント
2019年
パシフィッククラシック(アメリカ):ハイヤーパワー
クレメントL.ハーシュS(アメリカ):オリーズキャンディ
ビングクロスビーS(アメリカ):シストロン
サンタアニタH(アメリカ):ギフトボックス
2018年
BCクラシック(アメリカ):アクセラレイト
オーサムアゲインS(アメリカ):アクセラレイト
パシフィッククラシック(アメリカ):アクセラレイト
ゴールドカップアットサンタアニタS(アメリカ):アクセラレイト
サンタアニタH(アメリカ):アクセラレイト
2017年
クレメントL.ハーシュS(アメリカ):ステラーウインド
ビホルダーマイルS(アメリカ):ステラーウインド
アップルブロッサムH(アメリカ):ステラーウインド
2016年
ゼニヤッタS(アメリカ):ステラーウインド
クレメントL.ハーシュS(アメリカ):ステラーウインド
文:秋山響(TPC)