12/20 12:05
ボリショイバレエが引退、障害用の種牡馬に転身へ
プロフィール
大種牡馬サドラーズウェルズの系統といえば、欧州のガリレオからフランケルへと下るラインが最も有名かもしれないが、米国経由でもエルプラドからメダグリアドーロへと発展を遂げている。そして、オセアニアへ血を広げる原動力となったのがハイシャパラル。現役時代に欧米で活躍し、引退後は未知の大陸でも影響力を発揮した。
ハイシャパラルの初陣は発馬後の接触で位置を悪くし、追い上げ及ばず短アタマ差で敗れた。それでも2戦目を完勝して3戦目にはレーシングポストトロフィー(現フューチュリティS)に挑戦。圧倒的人気の僚馬に続く2番人気で最後方を並走すると、手応え良く抜け出した僚馬に対して自身は鞍上の腕が盛んに動く劣勢となるも、しぶとく食らいついて最後に差し切り、クラシックへの登竜門を突破した。
明け3歳は地元で2連勝し、3戦目で英ダービーを迎えた。この3歳世代はハイシャパラルを所有するクールモアの当たり年で、英2000ギニーをロックオブジブラルタルとホークウイングがワンツー。クビ差の惜敗からダービーへ駒を進めたホークウイングが前売り1番人気に推されていた。クールモアの主戦騎手M.キネーンはホークウイングとハイシャパラルのデビュー戦でも騎乗していたが、ギリギリまで空模様を読みながら前者を選択。ハイシャパラルには英2000ギニーでロックオブジブラルタルを勝利に導いたJ.ムルタが騎乗する。
そして、本番ではホークウイングの直後から先にスパートしたハイシャパラルが、巻き返しにくる僚馬を2馬身差に封じて完勝。ムルタは異なる騎乗馬で二冠を達成すると同時に、シンダーで制した2000年から2年ぶり2度目のダービー制覇を果たす。その一方、前年のガリレオに続く連覇を逃したキネーンは、次戦の愛ダービーをハイシャパラルで制すと引退まで手綱を譲らなかった。
快進撃を見せていたハイシャパラルだが、夏場に厩舎ごとウイルス疾患に襲われて大幅に予定が狂い、ぶっつけ本番を余儀なくされた凱旋門賞では3着に終わる。それでも、叩き2戦目の米BCターフ遠征ではうっ憤を晴らすかのように完勝。この年はロックオブジブラルタルの活躍が目覚ましくカルティエ賞では無冠に終わったものの、BC制覇のおかげでエクリプス賞の最優秀芝牡馬に選出された。
ハイシャパラルは4歳も現役を続けることになったが、春先に肩を痛めて8月にようやく始動する。復帰戦を勝ち切ると、続くアイリッシュチャンピオンSでは進路取りに手間取るファルブラヴの追撃をクビ差しのいで5度目のG1制覇。しかし、前年の雪辱を期した凱旋門賞では重い馬場に脚を取られてまたも3着に終わった。
その後、再び遠征したBCターフでは先に抜け出したファルブラヴに襲い掛かる一方、背後から迫るジョハーともつれるようにゴールすると、12分にも及ぶ写真判定の末にジョハーとはBC史上初の1着同着で連覇、3着のファルブラヴもアタマ差という名勝負を残して引退。2年連続でエクリプス賞の最優秀芝牡馬を受賞した。
種牡馬となったハイシャパラルは欧州での仕事に加えてニュージーランドへもシャトル派遣され、とりわけオセアニアで大きな成果を生んだ。ニュージーランド産のソーユーシンクは豪州と英国、アイルランドでG1レースを計10勝して代表産駒に成長した。
生年 | 1999 |
---|---|
性別 | 牡 |
毛色 | 鹿毛 |
父 | Sadler's Wells |
母 | Kasora |
母父 | Darshaan |
調教師 | A.オブライエン |
生産者 | S Coughlan |
馬主 | Michael Tabor |
通算成績 | 13戦10勝[10-1-2-0] |
開催日 | 場所 | レース名 | 動画 | 着順 | 騎手 | トラック | 距離 | 馬場状態 |
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2003/10/25 | サンタアニタパーク | ブリーダーズカップターフ(G1) | 1 | M.キネーン | 芝 | 2400 | 良 | |
2003/10/05 | ロンシャン | 凱旋門賞(G1) | 3 | M.キネーン | 芝 | 2400 | 重 | |
2003/09/06 | レパーズタウン | アイリッシュチャンピオンステークス(G1) | 1 | M.キネーン | 芝 | 2000 | 良 | |
2003/08/10 | カラ | ロイヤルホイップステークス(G2) | 1 | M.キネーン | 芝 | 2000 | 良 | |
2002/10/26 | アーリントンパーク | ブリーダーズカップターフ(G1) | 1 | M.キネーン | 芝 | 2400 | 重 | |
2002/10/06 | ロンシャン | 凱旋門賞(G1) | 3 | M.キネーン | 芝 | 2400 | 良 | |
2002/06/30 | カラ | 愛ダービー(G1) | 1 | M.キネーン | 芝 | 2400 | 稍重 | |
2002/06/08 | エプソム | 英ダービー(G1) | 1 | J.ムルタ | 芝 | 2410 | 稍重 | |
2002/05/12 | レパーズタウン | 愛ダービートライアルステークス(G3) | 1 | S.ヘファナン | 芝 | 2000 | 良 | |
2002/04/14 | レパーズタウン | バリーサックスステークス(L) | 1 | M.キネーン | 芝 | 2000 | 良 | |
2001/10/27 | ドンカスター | レーシングポストトロフィー(G1) | 1 | K.ダーレイ | 芝 | 1600 | 不良 | |
2001/10/07 | ティペラリー | 未勝利戦 | 1 | S.ヘファナン | 芝 | 1400 | 重 | |
2001/09/30 | パンチェスタウン | 未勝利戦 | 2 | M.キネーン | 芝 | 1490 | 良 |
距離 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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~1400m | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 100% | 100% | 100% |
1401m~1800m | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 50% | 100% | 100% |
1801m~2100m | 4 | 0 | 0 | 0 | 4 | 100% | 100% | 100% |
2101m~ | 4 | 0 | 2 | 0 | 6 | 67% | 67% | 100% |
馬場状態 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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良馬場 | 5 | 1 | 1 | 0 | 7 | 71% | 86% | 100% |
稍重馬場 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 100% | 100% | 100% |
重馬場 | 2 | 0 | 1 | 0 | 3 | 67% | 67% | 100% |
不良馬場 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 100% | 100% | 100% |