凱旋門賞

Qatar Prix de l'Arc de Triomphe

2019/10/6(日) 23:05発走※発走日時は日本時間(暫定)

パリロンシャン競馬場

  

【凱旋門賞】過去10年の傾向から見る馬券の狙いどころは?

2019年10月03日 15:00

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 フランスのロンシャン競馬場を舞台に行われる世界最高峰の中長距離最強馬決定戦、凱旋門賞。今年はその頂を目指して日本馬3頭が出走を予定している。それでは2009年以降の近10年のデータからレース傾向ならびに馬券での狙いどころを探っていく。

 まず表1は性齢別成績。勝ち馬はすべて3歳馬か4歳馬で、牝馬が7勝と勝ち切る傾向が強い。近3年も16年ファウンド、17、18年連覇のエネイブルと牝馬が3連勝中だ。

 なかでも4歳牝馬は昨年のエネイブルら最多の4勝をあげ、連対率25.0%。複勝率31.3%と高い。また、3歳牝馬も一昨年の同馬ら3勝で、複勝率33.3%とトップだ。

 牡馬では出走数最多の3歳牡馬が15年ゴールデンホーンら3勝。ただし、連対率では5.4%と低い。4歳牡馬は勝ち星がなく、好走しても2、3着止まり。斤量59.5キロと重い4~6歳牡馬で2着がのべ8回と勝ち切れない傾向にある。

 続いて表2は人気別成績。1番人気馬は昨年のエネイブルら3勝をあげており、連対率50%、複勝率60%。2~4番人気馬でのべ4勝をあげているものの、連対率・複勝率は高くない。10番人気以下の勝利は、11年デインドリーム(11番人気)と12年ソレミア(12番人気)。特にデインドリームが勝利した11年は2着に15番人気馬、3着に8番人気馬が激走する大波乱となった。

 JRAでの発売が開始された16年は3番人気のファウンドが勝利。2着に9番人気ハイランドリール、3着に8番人気オーダーオブセントジョージが入り、3連単38万円を超える波乱。一昨年は1番人気エネイブルが勝利し、2着に8番人気クロスオブスターズ、3着に5番人気ユリシーズ。昨年は1番人気エネイブルが連覇し、2着に3番人気シーオブクラス、3着に9番人気クロスオブスターズが入った。近2年は1番人気からのヒモ荒れが続いている。

 注目すべきは2、3着に6番人気以下の伏兵がそれぞれ6頭激走している点。アタマは上位人気馬から選んでも、2、3着は人気薄にも注意しておきたい。

 表3は前走レース別成績。ヴェルメイユ賞組とアイリッシュチャンピオンステークス組が3勝ずつで、3着以内数でも5頭で並んでいる。ヴェルメイユ賞組は13、14年連覇のトレヴらが勝利。トレヴは15年に史上初の3連覇を目指したものの、4着に敗れている。愛チャンピオンS組は16年ファウンドらが勝利。この組の勝ち馬3頭はいずれも前走で連対を果たしていた。

 他ではヨークシャーオークス組(一昨年エネイブル)、バーデン大賞組(11年デインドリーム)、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス組(10年ワークフォース)、セプテンバーステークス組(昨年エネイブル)が1勝ずつ。ヨークシャーオークス組は昨年もシーオブクラスが2着と好走。近2年続けて連対馬を出している。

 なお、前哨戦のフォワ賞組、ニエル賞組は勝ち星なし。フォワ賞組は2着が5回と多く、そのうち3回は日本馬によるものだった。なお、3着にはその他のレースから4回入っている点に注意しておきたい。

 表4は前走着順別成績。前走1着馬が昨年のエネイブルら過半数の6勝をあげており、勝ち切る傾向が強い。3着以内数でも15回と半数を占めている。

 前走2、3着だった馬はそれぞれ1勝ずつ。凱旋門賞でも2、3着止まりのケースが目立っている。勝ち馬10頭はすべて前走で5着以内に入っていた。

 なお、前走6着以下から巻き返したのは、16年2着ハイランドリール(前走・愛チャンピオンS7着)のみと苦戦傾向にある。

 表5は調教国別成績。イギリス調教馬が最多の4勝をあげ、勝率、連対率、複勝率いずれもトップだ。なかでもゴスデン調教師とデットーリ騎手のコンビは15年ゴールデンホーン、一昨年・昨年連覇のエネイブルと3勝。今年はエネイブルで史上初の3連覇達成なるかに注目が集まる。

 出走数の約半数を占めるフランス調教馬は13、14年連覇のトレヴら3勝。連対率、複勝率こそ低いものの、昨年は3着クロスオブスターズが該当しており、16年以外で毎年1頭は3着以内に入っている。

 アイルランド調教馬は16年にA.オブライエン厩舎の馬が上位3着までを独占。複勝率こそ低いものの、上位進出を狙う。

 ドイツ調教馬は11年デインドリームが勝利。なお、日本調教馬は勝ち星こそないものの、2着3回で連対率はイギリス調教馬に次いで高い。

 ここで凱旋門賞の特徴として、リピーターが多いことを挙げておきたい。13、14年連覇のトレヴ、一昨年、昨年連覇のエネイブルだけでなく、07~09年にかけて3年連続2着のユームザイン、12年、13年2着のオルフェーヴル、14年、15年2着のフリントシャー、一昨年2着、昨年3着のクロスオブスターズといった連続年で好走するケースが多い。

 最後に表6は近10年で好走した日本馬と今年出走予定の3頭をまとめてみた。10年ナカヤマフェスタ、12年、13年オルフェーヴルはいずれも前走でフォワ賞を使われており、コース経験があった

 今年はキセキのみフォワ賞を使われて、フィエールマンとブラストワンピースは海外での初レースとなる。ただ、現在では海外遠征のノウハウが蓄積されており、初遠征でも力は出せるだろう。日本馬初制覇の快挙に期待したい。