フィエールマン
性齢 | 牡4 |
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父 | ディープインパクト |
母 | リュヌドール |
母の父 | Green Tune |
調教師 | 手塚貴久 |
昨秋の菊花賞と今春の天皇賞、本当に強くなければ勝てないとされるG1レースを2勝したものの、まだ本気を出していない感さえあるフィエールマン。菊花賞はハナ差、天皇賞はクビ差での勝利だったが、それぞれ2着馬と馬体を併せてからは、どこまで行っても入れ替わらないと思わせる優勢を保って押し切り、着差以上の強さを見せつけた。しかも、3か月以上のレース間隔を空け、3000m級の長距離戦を息持ち十分に乗り切るのだから、並外れた心肺機能の持ち主であることが分かる。
前走の札幌記念はデビュー7戦目にして最悪の3着に終わったが、ラジオNIKKEI賞(福島)、アメリカジョッキークラブカップ(中山)ともども、これまで喫した3敗はいずれも小回りの中距離戦。その内容は後方から追い込み切れずに惜敗と共通しており、適性の差で及ばなかったものだ。それとは対照的に、凱旋門賞の舞台は2400mを馬蹄型の1ターンで走り切る日本にない規模の大箱コース。坂を下って最後の直線は平坦という走路も、菊花賞と天皇賞(春)が行われる京都競馬場に似ており、フィエールマンに適している可能性が高い。
その一方で、レース間隔を空けながらの競走生活は体質的な影響によるものだけに、デビュー以来最短となる前走から中6週の臨戦が課題。海外への輸送や環境の変化も加わる今回は、いかに体調を整えられるかにかかっている。