コックスプレート(G1)
2024年10月26日 (土) 15:10[現地時間 2024年10月26日 (土) 17:10]
オーストラリア ムーニーバレー競馬場
芝左2040m 3歳以上
負担重量:5歳以上=牡・セン馬 59kg 4歳=牡・セン馬 57.5kg 北半球産3歳=牡・セン馬 56.5kg 南半球産3歳=牡・セン馬 49.5kg(各牝馬2kg減)
賞金総額:505万豪ドル(約5億500万円)
1着賞金:300万豪ドル(約3億円)
※1豪ドル=100円で換算
コックスプレートはムーニーバレー・レーシングクラブ(MVRC)創設者のウィリアム・サミュエル・コックスの功績を称えて1922年に創設。当時は距離9.5ハロンで争われたが、豪州でメートル法が採用された1972年やG1格付けを受けた1979年は2000m、その前後は2040mや2050mで、現在の2040mに定着したのは1988年と、施行距離はたびたび変更されてきた。
同じヴィクトリア州のコーフィールドC、メルボルンC、ニューサウスウェールズ州のゴールデンスリッパーSとともに豪州4大レースと称されるが、ゴールデンスリッパーSは2歳戦、コーフィールドC(2400m)とメルボルンC(3200m)はハンデ戦なのに対し、コックスプレートは中距離で世代を超えた真の実力が問われる馬齢重量戦であるため、豪州におけるチャンピオンホース決定戦としてのステータスを得ている。
また、コックスプレートは創設以来、1回も中止されることなく今日に至っており、1946年には2レースに分割開催されたこともある。そのため、1920年創設で第2次大戦中の中止(2回)があるフランスの凱旋門賞より、施行回数はコックスプレートの方が1回多い。
8月に新シーズンが開幕する豪州において、10月下旬の開催を日本に置き換えるなら3月下旬に相当する。同じ2000m級のG1では大阪杯が近いレースになるが、大阪杯が4歳以上なのに対し、コックスプレートは3歳から出走資格がある。牡・セン馬の斤量は3歳の49.5kgに対して5歳以上は59kg、牝馬には2kg減のアローワンスがあるため、最軽量の3歳牝馬(47.5kg)と5歳以上牡・セン馬との間には11.5kgもの斤量差が設定されている。
フルゲートは14頭で、最終的なメンバー構成は国際レーティングや近走内容などを参考としてMVRC委員会の裁量に委ねられる。豪州国内ではジョンFフィーハンSの勝ち馬のみに優先出走権が与えられ、国外は日本の宝塚記念と前年のジャパンC、サラトガダービーと英インターナショナルSが優先出走権の対象となっている。
いわば旬のメンバーが選りすぐられるうえ、最終コーナーから決勝線まで約170m、同じ直線に置かれたゲートから最初のコーナーまでの距離も非常に短いトリッキーなコースで争われるため、道中の駆け引きは激しい。自ずと底力を問われるレースになるため、歴代優勝馬には豪州の競馬史を彩る名馬がズラリと並ぶ。
筆頭は4連覇のウィンクス、3連覇のライジングファストは史上唯一となるコーフィールドC、メルボルンCとの同一年3連勝も達成、同じく3連覇のキングストンタウン、豪州で史上最強の呼び声高いファーラップや欧州でも活躍したソーユーシンクは2連覇、メルボルンCの3連覇もあるマカイビーディーヴァなどなど…。
3歳馬は通算21勝しており、4歳で連覇したソーユーシンクのほか、オクタゴナルやサヴァビール、シェイマスアワードら3歳で優勝した近年の馬は種牡馬としても大成功している。なお、3歳牝馬の優勝はサラウンド(1976年)、北半球産3歳馬はアデレード(2014年)の各1頭しかいない。
史上唯一の4連覇を達成したウィンクスは走破時計(2分2秒94=2017年)、着差(8馬身=2016年)と2つのレコードも保持。ちなみに、2016年の3着馬はリバティアイランドの母ヤンキーローズ(当時3歳)だった。
豪州とニュージーランド以外の遠征馬はロマンチックウォリアー(香港)、リスグラシュー(日本)、ステートオブレストとアデレード(アイルランド)の4頭が優勝。日本からは2005年にトーセンダンディが初挑戦し、2019年のリスグラシューとクルーガーを合わせて3頭に遠征実績がある。
調教師はT.J.スミス(G.ウォーターハウス師の父)の7勝、騎手はD.ムンロの5勝が最多勝利となっている。
レース日 | 調教国 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 調教師 | タイム |
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2023年10月28日 | 香港香港 | ロマンチックウォリアー | セ6 | J.マクドナルド | C.シャム | 2:03:16 |
2022年10月22日 | オーストラリアオーストラリア | アナモー | 牡4 | J.マクドナルド | J.カミングス | 2:10:17 |
2021年10月23日 | アイルランドアイルランド | ステートオブレスト | 牡4 | J.アレン | J.オブライエン | 2:06:97 |
2020年10月24日 | オーストラリアオーストラリア | サードラゴネット | 牡5 | G.ボス | C.マー&D.ユースタス | 2:08:46 |
2019年10月26日 | 日本日本 | リスグラシュー | 牝5 | D.レーン | 矢作芳人 | 2:04:21 |
2018年10月27日 | オーストラリアオーストラリア | ウィンクス | 牝7 | H.ボウマン | C.ウォーラー | 2:03:47 |
2017年10月28日 | オーストラリアオーストラリア | ウィンクス | 牝6 | H.ボウマン | C.ウォーラー | 2:02:94 |
2016年10月22日 | オーストラリアオーストラリア | ウィンクス | 牝5 | H.ボウマン | C.ウォーラー | 2:06:35 |
2015年10月24日 | オーストラリアオーストラリア | ウィンクス | 牝4 | H.ボウマン | C.ウォーラー | 2:02:98 |
2014年10月25日 | アイルランドアイルランド | アデレード | 牡3 | R.ムーア | A.オブライエン | 2:03:76 |
2013年10月26日 | オーストラリアオーストラリア | シェイマスアワード | 牡3 | C.スコフィールド | D.オブライエン | 2:05:27 |
2012年10月27日 | ニュージーランドニュージーランド | オーシャンパーク | 牡4 | G.ボス | G.ヘネシー | 2:04:14 |
2011年10月22日 | オーストラリアオーストラリア | ピンカーピンカー | 牝4 | C.ウィリアムズ | G.ユーレル | 2:05:39 |
2010年10月23日 | オーストラリアオーストラリア | ソーユーシンク | 牡4 | S.アーノルド | B.カミングス | 2:07:45 |
2009年10月24日 | オーストラリアオーストラリア | ソーユーシンク | 牡3 | G.ボス | B.カミングス | 2:03:98 |
2008年10月25日 | オーストラリアオーストラリア | モルディヴィアン | セ6 | M.ロッド | M.カヴァナー | 2:06:92 |
2007年10月27日 | オーストラリアオーストラリア | エルセグンド | セ6 | L.ノレン | C.リトル | 2:06:33 |
2006年10月28日 | オーストラリアオーストラリア | フィールズオブオマー | セ9 | C.ウィリアムズ | D.ヘイズ | 2:06:89 |
2005年10月22日 | オーストラリアオーストラリア | マカイビーディーヴァ | 牝6 | G.ボス | L.フリードマン | 2:09:27 |
2004年10月23日 | オーストラリアオーストラリア | サヴァビール | 牡3 | C.マンス | G.ロジャーソン | 2:06:88 |
2003年10月25日 | オーストラリアオーストラリア | フィールズオブオマー | セ6 | S.キング | T.マカヴォイ | 2:07:61 |
2002年10月26日 | オーストラリアオーストラリア | ノーザリー | セ6 | P.ペイン | F.カースリー | 2:06:27 |
2001年10月27日 | オーストラリアオーストラリア | ノーザリー | セ5 | D.オリヴァー | F.カースリー | 2:05:84 |
2000年10月28日 | ニュージーランドニュージーランド | サンライン | 牝5 | G.チャイルズ | T.マッキー | 2:07:70 |
※2000年以降を記載