ドバイゴールデンシャヒーン

2022/3/26(土) 23:45発走 メイダン競馬場

見どころPREVIEW

日本調教馬として初制覇の期待が懸かるレッドルゼル。(Photo by Shuhei Okada)

レッドルゼルとチェーンオブラブ、先行するアメリカ勢を差し切れるか

コパノキッキングが現地入り後に故障してしまったが、ドバイゴールデンシャヒーンのレッドルゼルとチェーンオブラブはともに上位争い可能な実力を証明済み。日本調教馬として初制覇の快挙に期待が懸かる。

レッドルゼルは昨年のドバイGSで最後方から豪快に追い込み2着。単勝106.5倍の伏兵ゼンデンに逃げ切りこそ許したが、直線では他馬が止まって見えるほどの爆発力でごぼう抜きを演じた。今年も再戦するアルタリクやスイッツァランド、グッドエフォートあたりとは1戦で勝負づけを済ませたと考えられ、相手はアメリカ勢をはじめ未対戦の馬たちとなるだろう。

チェーンオブラブにレッドルゼルほどの実績はないが、前走のリヤドダートスプリントがダートに転向して3戦目だったことを思えば、まだまだ伸びしろを期待できる。芝のスピードに対応できるマルシュロレーヌがブリーダーズカップディスタフで大快挙を成し遂げたが、チェーンオブラブには芝の重賞実績がある。アメリカのダートに近いメイダン競馬場で、もう一段の前進があっても不思議はない。

レッドルゼルとチェーンオブラブにとって最大の敵は、例年、このレースを支配する立場のアメリカ勢と見て間違いない。昨年はG1ホースが不在だったが、今年はドクターシーヴェルとドレインザクロックが参戦。前者は現役最強クラスで先行力もあり、差し・追い込みの日本勢にとっては非常に厄介だ。


前哨戦のマハブアルシマールを勝ったイースターンワールド。(Photo by Dubai Racing Club)

ドクターシーヴェルは昨年のBCスプリントでゴール寸前に捕まりハナ差の惜敗。ただ、人気薄の大駆けだった訳ではなく、2番人気での結果だけに実力の裏づけにはなった。当時の1番人気ジャッキーズウォリアーは6着に沈んだが、ドレインザクロックがG1制覇を果たした際はジャッキーズウォリアーをねじ伏せている。こうした関係性から、両馬によるワンツーフィニッシュまであり得る。

また、もう1頭ワンダーホウェアクレイグイズも侮れない。重賞はG3の1勝のみだが、その前の重賞では1位入線から2着へ降着になっている。アメリカのダートホースらしく逃げ・先行を型にしており、昨年のゼンデンの例からも注意が必要だ。

地元の前哨戦からは2月のアルシンダガスプリントを制して直行してきたミラース、3月のマハブアルシマールを勝ったイースターンワールドの2頭を警戒。また、エバーファストはドバイワールドカップ前哨戦のアルマクトゥームチャレンジラウンド3から一気の距離短縮で初の1200mだが、ドバイに移籍前はアメリカで豊富なG1出走歴がある。初ダートで実力は未知数なものの、ドバイWC開催で時にサプライズを呼ぶバーレーンのF.ナス調教師が送り込むモバーデルともども不気味な存在だ。

(渡部浩明)