ドバイワールドカップ

2022/3/27(日) 01:30発走 メイダン競馬場

見どころPREVIEW

昨年2着の雪辱を期すチュウワウィザード。(Photo by Kazuhiro Kuramoto)

ライフイズグッドが断然の主役、チュウワウィザードにはアメリカ勢の厚い壁

昨年2着のチュウワウィザードの雪辱、そして日本調教馬によるダート開催での初優勝が期待される今年のドバイワールドカップだが、昨年と今年とでは相手関係が一変している。

昨年のドバイWCではアメリカのミスティックガイドがチュウワウィザードに3馬身以上の差をつけて完勝したが、同馬を含めて4頭参戦したアメリカ勢にG1ホースは存在しなかった。しかし、今年も4頭が出走するアメリカ勢は3頭がG1ホースで、残る1頭もG1で上位争いの常連。その中でもライフイズグッドは現役最強の呼び声が高く、頭ひとつ抜けた存在となっている。

ライフイズグッドといえば前走のペガサスワールドカップがとにかく圧巻だった。ブリーダーズカップダートマイルとブリーダーズカップクラシックを勝ったこともあるニックスゴーとの先行争いをゲートから数完歩で制すと、影も踏まさず3馬身1/4差をつけて逃げ切り。今回は初の2000mが課題とされているものの、現役最速・最強を賭けた戦いに一方的に決着をつけられるスピードには付け入る隙がない。枠順も最内の1番を引き当て、勝利へ最後のピースを埋めた感さえある。


頭ひとつ抜けた存在となっているライフイズグッド。(Photo by Getty Images)

このライフイズグッドを追い掛けられるとすれば、それもアメリカ勢となるだろう。先頭に立つのはホットロッドチャーリーだが、BCクラシックではニックスゴーを捕まえにいくも最後に突き放されている。カントリーグラマーは前走のサウジCで長期休養から復帰して2着。叩き2戦目の上積みを期待できるが、5歳で10戦目と真の一線級と戦った経験が不足しており、ライフイズグッドらが作る流れに抗しきれるか。この2頭が綻びを見せれば、堅実無比のミッドナイトバーボンに割って入る余地が生じる。

チュウワウィザードは昨年同様に勝負圏内でついていくことが第一。その上で、終盤にもつれたところを1頭ずつ拾っていきたい。昨年のドバイWCからは3着のマニークール、4着のハイポセティカルも出走するが、特にハイポセティカルは前哨戦のアルマクトゥームチャレンジラウンド3を逃げ切って前年以上に勢いがある。チュウワウィザードとしてもアメリカ勢ばかりに気を取られてはいられない。

いずれにせよ、今年のドバイWCはライフイズグッドが断然の主役。カーリン(2008年)やアロゲート(2017年)のような怪物級のパフォーマンスで、新たな伝説を生む可能性もある。

(渡部浩明)