ドバイターフ

2022/3/27(日) 00:20発走 メイダン競馬場

見どころPREVIEW

実績と安定感は日本勢の中で頭ひとつ抜けているシュネルマイスター。(Photo by Shuhei Okada)

日本調教馬の連対継続へ、シュネルマイスターとパンサラッサには勝機も

ドバイターフは日本調教馬がドバイワールドカップデーで最多の5勝を挙げているドル箱レース。2014年以降は不参戦の2015年、開催中止の2020年を除く6回に渡って連対を継続しており、今年も上位争いの期待が大きい。

今年の日本勢は次代のマイル王へ片手を掛けているシュネルマイスター、レーススタイルも成績も勢い一番のパンサラッサ、そして昨年の2着でドバイターフに実績を築いているヴァンドギャルドという三者三様の面々。道中のポジションもそれぞれに分かれ、少なくとも1頭は勝ち負けに絡んでくれそうだ。

その中でも最も期待が大きいのはシュネルマイスターだろう。デビューからの7戦は全て3着以内。G1も3戦で1着から3着まで各1回と実績、安定感とも日本勢の中で頭ひとつ抜けている。今回と同じ1800mの毎日王冠でもマイル戦と同じ末脚の破壊力を見せており、不利さえ受けなければ勝利も望めるのではないか。

競馬ファンからの注目度という点ではパンサラッサの方が上かもしれない。折り合って末脚勝負が基本の欧州調教馬も数多く参戦する中で、対照的な逃げ脚がどこまで通用するのかは大いに見もの。外国勢をかく乱し、あれよあれよの逃走劇を決めてくれる可能性も少なくない。外目の12番枠を引いてしまったが、ゲートから向正面の直線は長く、そもそも出足が速いだけに影響も軽微か。


昨年の覇者ロードノース。(Photo by Getty Images)

昨年の雪辱を期すヴァンドギャルドは10番枠が鍵。昨年の2着は内枠を利してうまく立ち回っており、見せ場を作った香港マイルともども内ラチ沿いから抜け出した。フランスにおけるゴドルフィンの主戦としてメイダン競馬場も熟知するM.バルザローナ騎手の手腕には、昨年と同様に頼みとするところが大きくなりそうだ。

日本勢の強敵は、連覇を狙うロードノースがやはり怖い存在。昨年の勝ちっぷりは一桁違う迫力で、同じ形を再現されると太刀打ちできるか分らない。長く休養していたものの2月に復帰して上々の内容を残しており、態勢も整ったものと考えられる。そしてもう1頭、ペガサスワールドカップターフ連覇の実績を引っ提げ、アメリカ調教馬として初制覇の期待が懸かるカーネルリアム。ただ、中団より前々で運びたいタイプに外の13番枠は厳しいか。パンサラッサにとって気になる存在だったが、少しだけ楽になったかもしれない。

紅一点のサフロンビーチも要注意の存在。昨年は5月の英1000ギニーで2着、10月のサンチャリオットSは3馬身差で圧勝した。明らかに距離が長い英オークスと不利を受けたファルマスSを除けば全て連対しており、あとは初めて対戦する牡馬との力関係次第だろう。また、モハーフェスは昨年の英ダービー戦線で注目を集めていた好素材。道悪を嫌ってダービーは回避し、その後に転じた中距離戦線では頭打ちの感もあったが、さらに距離を短縮して変わり身があるか。良馬場志向でメイダン競馬場は合いそうだ。

前哨戦のジュベルハッタを制したアルファリークをはじめ、ドバイ滞在組を含むその他の面々は一枚落ちの印象。3回目の参戦になる9歳馬ロードグリッターズはジュベルハッタで6着も2走前に勝っており、末脚がはまる展開になれば出番があるかもしれない。

(渡部浩明)