ドバイシーマクラシック
2022/3/27(日) 00:55発走 メイダン競馬場
日本勢8年ぶりの勝利へ、ユビアーら欧州勢の厚い壁を破れるか
過去最多の5頭が参戦し、日本調教馬による8年ぶりの勝利に期待がかかる今年のドバイシーマクラシック。これまで現役トップクラスが遠征しながらも、G1昇格後に優勝したのはハーツクライ(2006年)、ジェンティルドンナ(2014年)という競馬史に残る名馬2頭のみ。歴史的に中心を担い、日本勢の前に立ちはだかってきた欧州勢は今年も充実しており、勝負の行方は予断を許さない。
今年の日本勢はダービー馬シャフリヤールにオークス馬ユーバーレーベン、香港ヴァーズ2勝で実績上位のグローリーヴェイズ、ジャパンCでシャフリヤールに先着し、直前のサウジ遠征も勝って充実一途のオーソリティ、そして王道G1で堅実無比に活躍してきたステラヴェローチェの5頭。この序列を考えるだけでも難しく、馬券的には最も面白いレースとなるのではないだろうか。
そして、歴史的に日本勢を苦しめてきた欧州勢も、ブリーダーズカップターフの覇者ユビアーを筆頭に、香港ヴァーズでグローリーヴェイズと好勝負を演じたパイルドライヴァー、香港カップでラヴズオンリーユーらに迫ったドバイオナー、前哨戦のドバイシティーオブゴールドを制した良血馬フクム、英ダービー前哨戦でアダイヤーを下したアレンカーら層が厚い。
また、ネオムターフカップでオーソリティに続いたカスパーやトルコのダービー(ガジ賞)馬バーガスらの中東勢も侮れず、まさに多士済々のメンバーが顔をそろえた。
構図は日本vs欧州だが、ここは欧州勢に一目置いて日本勢が挑戦する立場と考えておくべきだろう。その中でもユビアーを巡る争いになる。外目の12番枠を引いたが、後方からの末脚勝負で枠順は気にならない。その一方、先行するオーソリティの10番枠はあまり歓迎できない。メイダン競馬場はタイトなコーナーが長く続くため、馬群の外を回らされるとロスが大きい。ゲートから最初のコーナーまでの短いストロークで如何に内ラチに近づけるかが鍵だ。
その他の日本勢は概ね内目の枠に恵まれた。あとは序盤のポジション争いで不利を受けないよう祈るだけだ。欧州勢ではパイルドライヴァーの1番枠が不気味。前走のネオムターフCでは終始馬群の外を走らされて早々に失速したが、今回はオーソリティと枠順がだいたい逆転している。距離延長も歓迎で、前々から運ぶ自分のレースをできるはずだ。
(渡部浩明)