ミッドナイトバーボンは2歳8月にデビュー2戦目で勝ち上がり、3戦目から4歳初戦の前走（サウジC）まで重賞ばかり13戦してきた。しかしながら、追加できたのは明け3歳初戦、G3ルコントSでの1勝のみ。それ以外はG1だろうとG3だろうと10戦で2着ないし3着の勝ち切れないレースを続けている。

もどかしい現状がある一方で、それは堅実性の表れともいえる。デビューから前走までの1年7か月で計15戦を消化したが、その間、2か月を超えるレース間隔を空けたことは、ほとんどない。ケンタッキーダービーの5着（繰り上がり）は発馬直後の不利、ハスケルSは不利を受けて競走中止と、3着から漏れた2戦にも明確な理由がある。ハスケルSでは転倒寸前の恐怖を味わいながら、1か月後にはトラヴァーズSで2着と、肉体だけでなく精神の強さも証明してきた。

これほどの堅実性を持ってすれば、ドバイWCでの上位争いも間違いないだろう。当面のライバルは前走で1馬身半差をつけられたカントリーグラマー、ゴールした3回の直接対決で先着を許しているホットロッドチャーリーとなるが、今回は快速ライフイズグッドの存在がアシストになるかもしれない。これまでは両馬を追い掛ける展開で及ばなかったが、激流が生じれば勝機を手繰り寄せることも可能になるはずだ。