ドバイゴールデンシャヒーン 2023/3/25(土) 23:25発走 メイダン競馬場

見どころPREVIEW

国内重賞を連勝中で、勢いナンバー1のレモンポップ。(Photo by Kazuhiro Kuramoto)

経験のレッドルゼルと勢いのレモンポップ、ベテランと若手の融合で初制覇狙う

今回も遠征するレッドルゼルなど、日本調教馬が直近3回連続の2着と勝利へあと一歩と迫っているドバイゴールデンシャヒーン(GS)。2021年に続く過去最多の4頭で臨む布陣はバラエティに富み、史上初制覇への期待も大きい。

今年の4頭はレッドルゼルが3回目、ジャスティンは2回目と舞台経験があり、レッドルゼルは2年連続の2着と実績も申し分ない。また、初参戦のレモンポップは直前のフェブラリーSを制覇して新ダート王に名乗りを挙げ、もう1頭のリメイクも重賞初制覇から前走のリヤドダートスプリント(DS)で日本調教馬の最先着を果たした。ベテランの経験と若手の勢いが融合している印象だ。

その中でも期待が大きいのはレッドルゼルとレモンポップとなるだろう。末脚一手のレッドルゼルは前に1頭だけ残してきたが、この2年は決着時計が大きく異なる中で結果を残しているように、メイダン競馬場のダートの適性に疑いの余地はない。明けて7歳を迎えた前走のフェブラリーSでも強烈な末脚を披露して健在をアピールしている。

レモンポップは根岸SとフェブラリーSを連勝して勢いナンバー1。レース間隔が詰まっている点が気掛かりではあるものの、フェブラリーSの覇者がドバイGSに挑むのは初のケースになる。G1を制すには条件よりも長い距離での実績が必要とは競馬の格言になっており、香港スプリントの壁を破ったロードカナロアにも安田記念を制すだけのスタミナがあった。

また、リメイクは海外初戦の前走で通用することを証明済み。父ラニにUAEダービーの勝ち鞍があり、芝馬にも走りやすいとされるサウジアラビアのダートより、今回の方がさらに力を発揮できるかもしれない。ジャスティンはリヤドDSと合わせて海外4戦目だが、過去3戦ともゲートが今ひとつ。発馬をピタリと決め、得意の形に持ち込めた時に、これまでとは違う結果が待っていることも。

ダートの本場・アメリカ勢は、特にガナイトに要警戒。(Photo by Aflo)

日本勢の前に立ちはだかるのは、やはりダートの本場・アメリカ勢。ドバイGSでも歴史的に中心を担ってきた。ガナイトはリヤドDSでリメイクに2馬身先着と明確な差をつけており、当面の目標となる存在。また、シーズィーロケットは明け9歳馬だが、昨秋を含むBCスプリントでの2着が2回ある。昨年のBCスプリントでは1着のエリートパワーと1馬身1/4差。それに対してリヤドDSのガナイトはエリートパワーに3馬身1/4差をつけられている。

ホプキンズも要注意の1頭。前走のG3パロスヴァーディスSで重賞初制覇を飾ったばかりだが、スプリント戦に腰を据えたのは今年に入ってから。パロスヴァーディスSの勝ち馬はドバイGSで好結果を残してきた歴史もあり侮れない。

地元のUAE勢ではB.シーマー厩舎の3頭が有力。ドバイにおける前哨戦のG3マハブアルシマールを制したサウンドマネーには“隠れアメリカ馬”の一面がある。昨年7月までアメリカで活躍しており、重賞でも2着を2回記録していた。前走は7か月半ぶりのドバイ移籍初戦でもあり、ここに向けて上積みは大きそうだ。

同じ勝負服のスイッツァランドは昨年の優勝馬で、それ以来の実戦となった年明けのG3ドバウィSも制しての直行。9歳馬でも元気一杯だが、過去2年のドバイGSでは7着と8着に完敗しており、スローペースで脚が溜まる展開次第のところがある。また、タズは前々走でG3アルシンダガスプリントを制し、前走のマハブアルシマールは3着。昨シーズンまではマイルを主戦場としており、スプリント戦ではまだ上がり目を残している。

(渡部浩明)