ドバイゴールデンシャヒーン 2023/3/25(土) 23:25発走 メイダン競馬場

日本馬挑戦の歴史JAPANESE HISTORY

着実に増す日本調教馬の存在感、待たれる初勝利

ドバイゴールデンシャヒーン(GS)は現在のメイダン競馬場が開場する以前、ナドアルシバ競馬場の「直線ダート1200m」という世界的にも稀な舞台で行われていた。そのような特殊な条件に加え、中央競馬においてはダートの短距離重賞が少ない事情も重なり、ドバイWCデーの他のG1レースと比較して日本調教馬の遠征頭数も多くなかった。

そうした背景もあって日本調教馬は2022年までに延べ17頭が参戦して未勝利だが、過半数の10頭が5着以内に健闘している。ダート開催に限れば、同じく未勝利のドバイWCより2着は1回多く、しかも、全て開催された直近3年で記録されたものと初制覇への期待値も高い。

日本調教馬は2002年にブロードアピールが初参戦した。日本競馬史の豪脚列伝に名を残す女傑はすでに8歳を迎えていたが、世界のスピードに食らいつくと後半から持ち味の末脚を伸ばして5着。まったく未知数の直線競馬で価値ある内容を残した。2年後にはマイネルセレクトがブロードアピールと対照的に逃げて5着に粘り込む。日本のダート馬でもスピードが通用することを示し、勝ち馬との着差(4馬身3/4)でも世界との距離を縮めた。

ナドアルシバ競馬場で最後の開催となった2009年には、バンブーエールが終盤に猛然と追い上げる見せ場を作って4着。3着には惜しくも半馬身届かなかったが、日本馬最高の着順を更新する。2010年にオープンしたメイダン競馬場では、直線ダートから左回りオールウェザー(AW)の1200mに施行条件が大きく変更された。ドバイWCではヴィクトワールピサによる初制覇(2011年)こそあったものの、ドバイGSの方は芝のスプリント王ローレルゲレイロによる4着(2010年)が最高と、連対の壁も破れずに終わる。

そして、レースは2015年に現在と同じ「左回りダート1200m」に再変更された。2018年に遠征したマテラスカイは、本場アメリカの超一流馬たちと互角のスピードで渡り合い、直線半ばまで首位をうかがう大きな見せ場を作って5着に善戦。再挑戦の2019年には2番手のポジションを守り抜き、日本調教馬としてついに初連対を果たす。

2020年になると隣国のサウジアラビアにリヤドダートスプリントが誕生し、1か月後のドバイへ転戦するルートが開けた。この年はコロナ禍でドバイWCデーが開催中止となるも、2021年には転戦組の3頭を含む過去最高の4頭が参戦。フェブラリーSから臨んだレッドルゼルが2着、転戦したコパノキッキングも5着に食い込むと、2022年はレッドルゼルが再び2着で日本調教馬は遠征機会3年連続の連対。サウジから転戦のチェーンオブラブも小差の4着に続き、2頭が4着以内に入る過去最高の結果を残した。

馬名 性齢 着順 騎手 調教師
2022 レッドルゼル 牡6 2 川田将雅 安田隆行
チェーンオブラブ 牝5 4 坂井瑠星 小笠倫弘
2021 レッドルゼル 牡5 2 R.ムーア 安田隆行
コパノキッキング セ6 5 W.ビュイック 村山明
ジャスティン 牡5 11 坂井瑠星 矢作芳人
マテラスカイ 牡7 12 戸崎圭太 森秀行
2019 マテラスカイ 牡5 2 武豊 森秀行
2018 マテラスカイ 牡4 5 武豊 森秀行
2017 ディオスコリダー 牡3 11 S.フォーリー 高橋義忠
2013 タイセイレジェンド 牡6 12 R.ムーア 矢作芳人
2010 ローレルゲレイロ 牡6 4 藤田伸二 昆貢
2009 バンブーエール 牡6 4 武豊 安達昭夫
2007 アグネスジェダイ 牡5 10 武豊 森秀行
シーキングザベスト 牡6 11 福永祐一 森秀行
2006 アグネスジェダイ 牡4 6 吉原寛人 森秀行
2004 マイネルセレクト 牡6 5 武豊 中村均
2002 ブロードアピール 牝8 5 O.ペリエ 松田国英