性齢 | 牝6 |
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父 | スクリーンヒーロー |
母 | コスモチェーロ |
母の父 | Fusaichi Pegasus |
調教師 | 手塚貴久 |
前走の香港ヴァーズは驚きのG1初制覇となった。デビューからほとんどのレースで先行策を取り、控えても中団までだったウインマリリンが、香港ヴァーズでは後方2番手を追走。馬群の外を回った第3コーナーからは最後方まで下がるなど、まったく流れに乗れないまま惨敗する最悪の結末も予想された。しかし、これはD.レーン騎手の作戦だったことが直線で判明する。
大外から突入した直線では残り400mでまだ最後方。ところが、レーン騎手からゴーサインを受けると弾けるように末脚を炸裂させ、3勝目を狙うグローリーヴェイズを並ぶ間もなく抜き去る。さらに2番手から抜け出したボタニクを残り150m付近で捕らえるとようやくステッキが入り、こちらにも抵抗する隙を与えずにパス。1頭だけ違うレースを走っているかのような豪脚で1馬身半突き抜けてしまった。
それまでG1に8回挑戦し、2回の2着などもどかしいレースを続けていたウインマリリンからは想像もつかない破壊力。それを引き出したレーン騎手は直前のエリザベス女王杯で先行させ、厳しい展開の中で2着に残していたが、1回の騎乗だけで異なる勝ちパターンを導き出せる感性には舌を巻くばかりだ。その名手とコンビ継続なら一騎当千。国内最終追い切りを見届けた手塚貴久調教師によれば持病を抱える右肘の状態も問題なく、今回もどんなレースを見せてくれるか楽しみだ。