チェアマンズスプリントプライズ 2023/4/30(日) 15:50発走 シャティン競馬場

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今年4連勝中のラッキースワイネス。(Photo by Getty Images)

ラッキースワイネスとウェリントンの二強対決、アグリは力試しの一戦

今年のチェアマンズスプリントプライズは2016年に国際G1の格付けを受けてから最少の8頭で争われることになった。日本からは次代のスプリント王へ売り出し中のアグリが挑戦するが、もともと層の厚い地元勢にあってラッキースワイネスとウェリントンの2頭が抜けた存在。アグリには力試しの一戦となる。

今年のメンバーではラッキースワイネスがレーティング123、ウェリントンが同121で、3番手のサイトサクセス(レーティング116)を大きく離している。近況も2頭が安定上位の成績を残しており、どちらか一方が勝利を手にする可能性が高そうだ。

ラッキースワイネスは2月のセンテナリースプリントC、3月のクイーンズシルバージュビリーCでG1レース2勝。それらを含め元旦のG3チャイニーズクラブチャレンジCから前走のG2スプリントCまで4連勝中と、南半球産で4歳秋の馬齢通りに本格化の時を迎えた。昨年暮れの香港スプリントでは日本と香港の双方で1番人気に推されながら6着に敗れたが、直線入口から包まれてスムーズに追えなかった結果。センテナリースプリント以降はウェリントンに1馬身以上の差をつけて3連勝しており、今回も最右翼と考えられる。

勢いのラッキースワイネスに対し、実績で対抗するのがウェリントン。G1レースは通算4勝で、このチェアマンズスプリントプライズを勝てばG1昇格後初の3連覇を達成する(他に3連覇はローカルG1となる前の1989~1991年にクイックンアウェイが達成)。ただ、香港スプリントではラッキースワイネスに不利もあって先着したものの、センテナリースプリントCで差し届かず、前走のスプリントCでは発馬に失敗したラッキースワイネスに差し切られて完敗が続いている。今回は香港スプリントと同様に、アグリら外国勢の参戦によって生じる展開の変化を生かしたいところか。



チェアマンズSPに参戦するアグリ。(Photo by 山根英一/アフロ)

重賞1勝でレーティング110のアグリは2強に胸を借りる立場。前走の高松宮記念は道悪でスピードを生かし切れなかったが、差し・追い込み決着の中で先行勢としては最先着を果たし、能力の一端は見せられた。ラッキースワイネスとウェリントンにも先行力があるだけに、今回も道中からどれくらい粘れるか。4歳春でまだまだ伸びしろを残している段階でもあり、秋のスプリンターズSや香港スプリントでの再挑戦に向けて収穫を得たい。

1200mのセンテナリースプリントCで1着のラッキースワイネス、2着のウェリントンに続く3着はサイトサクセス、同じく1200mのスプリントCでは3着にマスターエイトが続いた。サイトサクセスは香港スプリントもウェリントンの2着で、レーティング3番手の評価通り一角崩しの力があるが、10月から月1走ペースで来て今回はドバイ遠征帰りと厳しい臨戦。状態をキープできているかが鍵となる。同じくドバイ帰りのデュークワイはさらに厳しく、9月に始動して前走が9戦目だった。

また、スプリントCのマスターエイトは2強より斤量が約2.3kg軽かった。当時6着のクーリエワンダーともども同斤となる今回は、サイトサクセスが不発だった場合の3番手候補というのが現実的なところだろう。

英国のフレーミングリブは元サッカー代表のマイケル・オーウェン氏が共同所有していることでも話題。ドーハ、ドバイと中東を転戦しての香港入りだが、芝右回りのドーハでは1200mを1分8秒56で勝っている。昨年の3歳G1コモンウェルスC(2着)など欧州でも比較的堅い馬場で好結果を残しており、シャティン競馬場にも対応できそうだ。

(渡部浩明)