チャンピオンズマイル 2026/4/26(日) 16:45発走 シャティン競馬場

見どころPREVIEW

マイル王となって2度目の香港遠征に挑むジャンタルマンタル。(Photo by Shuhei Okada)

ジャンタルマンタルとシュトラウス、充実一途の5歳馬に海外G1制覇の好機

日本からマイル王ジャンタルマンタル、素質開花の気配漂う良血シュトラウスと楽しみな実力馬が遠征するチャンピオンズマイル。地元の香港からは長らくマイル戦線をけん引してきたヴォイッジバブル、連覇を狙うレッドライオンのベテラン勢が先頭に立って迎え撃ち、4歳三冠路線からも優勝馬2頭が世代交代を狙うなど見どころが多い。

ジャンタルマンタルは昨年の安田記念とマイルチャンピオンシップを完勝し、文句なしのマイル王となって2度目の香港遠征。3歳の前回は香港マイルで13着に大敗したが、熱発によりNHKマイルCからの復帰が遅れて7カ月ぶりのぶっつけ本番、レースでは早々に苦しい形になり、不利も受けて全く不本意な結果となってしまった。今回もドバイ遠征を取り止めての仕切り直し、香港へ出発前には輸送便のトラブルで足止めにあうなど不安がない訳ではないが、完成の域に達した今なら雪辱も十分に可能なはずだ。

シュトラウスには父モーリスとの親子制覇が懸かる。香港では過去にロードカナロアとダノンスマッシュ、ステイゴールドとウインブライトが親子勝利を飾り、ルーラーシップとソウルラッシュ親子も好結果を残している。香港で活躍した馬の産駒が適性を発揮しやすいなら、シュトラウスに血統的なアドバンテージも。乗り難しい面があり、前走のアブダビゴールドCはJ.モレイラ騎手の手腕によるところも大きかっただけに、シャティン競馬場を知り尽くした名手とのコンビ継続は何より心強い。

ヴォイッジバブルは4度目の出走で悲願のチャンピオンズマイル制覇を狙う。(Photo by Shuhei Okada)

迎え撃つ地元勢ではヴォイッジバブルが大将格。近走は香港の古馬三冠を達成した前年同期ほどの勢いを感じさせないが、同じようにトーンが上がっていなかった昨年暮れの香港マイルでは、ソウルラッシュを差し返して連覇達成と第一人者の底力を見せつけた。チャンピオンズマイルは4歳で4着、5歳で3着、6歳の昨年は圧倒的人気で2着と縁がなく、7歳の今年がラストチャンスか。週中の獣医検査で経過観察となったものの、香港ではめずらしいことでもなく、出走が認められたのであれば不安なしと受け止められる。

昨年、ヴォイッジバブルの夢を砕いたレッドライオンは、日本発売で単勝89.8倍、地元では90倍とさらに人気薄での激走。6歳での重賞初制覇ではフロック視されても仕方なく、その後は前走までの7戦で9着以下が5戦と実際に振るっていない。ただ、唯一の好走が香港マイル(3着)。チャンピオンズマイルでは2年前も2着に好走しており、時期的なものか、あるいは遠征馬が加わる相手関係なのか、何かが合っている可能性を捨て切れない。J.サイズ調教師は少しでも湿った馬場が良いと話している。

これ以外にも香港勢はタレント豊富で、ラッキースワイネスとマイウィッシュのレーティングはレッドライオンよりも高い。ラッキースワイネスは3シーズン前に最優秀短距離馬に輝いたが、骨折による長期休養などの不運もあってカーインライジングにその座を追われ、年明けからマイル路線への転向を余儀なくされた形。積極的には評価しにくい背景がある。ただ、ヴォイッジバブルと2度の直接対決は転向初戦のスチュワーズCが同斤、前哨戦のチェアマンズトロフィーは2kg少々軽い斤量ながら先着。スプリントG1を4勝の格が伊達ではないところを見せており、ここで如何に戦うか興味深い。

マイウィッシュはチェアマンズTでラッキースワイネスを追い詰めて短アタマ差の2着。昨シーズンは香港クラシックマイル勝ちなど4歳三冠戦で連対を守り、チャンピオンズマイルではレッドライオンに1馬身差の4着だった。今シーズンの香港マイルでも6着と一線級相手に一歩足りていないが、2戦前からコンビを組むH.ボウマン騎手が展開一つとの手ごたえを明かしている点は不気味に映る。

今季の4歳三冠シリーズからは香港ダービー馬のインビンシブルアイビスと香港クラシックマイルの覇者リトルパラダイスの2頭が挑む。レーティングはダービー馬が3ポンド高いが、舞台実績ではリトルパラダイスに分があり甲乙つけがたい。特に香港クラシックマイルのリトルパラダイスは直線の不利を克服して目の覚めるような差し切り。それぞれJ.マクドナルド騎手、Z.パートン騎手と鞍上も強力で、次世代のスターが現れて不思議のないタイミングでもあり2頭には注目したい。

英国のドックランズは12月の香港マイルでヴォイッジバブルから2馬身半差の4着。多少の差はつけられたが、欧州勢の好走例が少ないレースだけに評価は必要だろう。この遠征に向けてはドバイターフを回避し、英国でリステッドを勝っての参戦と仕上がりに不安はなく、得意のロイヤルアスコット開催まで1カ月半とレース間隔も上々。シーズン最終盤だった香港マイルよりパフォーマンスを上げる可能性はある。

これら以外にも昨年のチャンピオンズマイルで3着のサンライトパワー、2年連続5着のギャラクシーパッチ、昨年の香港ダービー馬キャップフェラも控えており伏兵勢は多士済々。コパートナープランスは逃げも打てる先行力、チェンチェングローリーにはコリアCで2番手追走からディクテオンの2着に粘った実績があり、パワーを要す条件になれば波乱の使者となることも。

(渡部浩明)