香港ヴァーズ

Hong Kong Vase

2016/12/11(日)15時00分発走 ※発走日時は日本時間

シャティン競馬場

見どころ

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ハイランドリールの実績が突出、日本勢は距離延長に活路も

アジア・オセアニア圏から地元の香港をはじめ日本、ニュージーランド、シンガポール調教馬が参戦。ヨーロッパからはイギリスとアイルランド、そしてフランスから遠征と、4レースの中で最も国際色豊かな一戦となった。

歴史的に欧州勢が強いレースだが、連覇を狙うアイルランドのハイランドリールが実績で他を圧倒している。今回のメンバーでは地元のヘレンハッピースターや、メルボルンカップで先行したビッグオレンジあたりが逃げる可能性もあるが、香港馬は長距離戦の実績に乏しく、このレースでも苦戦傾向。ビッグオレンジも3000m前後を主戦場とするステイヤーだけに、逃げるにせよ控えるにせよ、ハイランドリールが得意の形に持ち込めそう。これだけで連覇への視界がグンと開ける。

3頭参戦する日本勢で本命撃破の可能性が最も高いのはヌーヴォレコルトか。遠征先のアメリカから香港へ直接移動し、約1か月の間に3走という厳しいスケジュールになるが、香港入り後の調整ではキビキビと活気ある姿を見せている。シャティンでのレースは今回が3回目になり、昨年は香港カップで2着と実績も十分。4月のクイーンエリザベス2世カップ(QE2C)では、2000mながらハイランドリールにも先着している。2200m以上ではオークス勝ち、2着4回、5着1回と崩れ知らずで、5着も宝塚記念で0秒3差なら、ここに入って見劣る戦績ではない。

サトノクラウンも2200m以上では京都記念1着、ダービー3着、宝塚記念6着と、ムラな印象のある戦績にあって堅実なところを見せている。ダービーでドゥラメンテにつけられた着差は、ドバイシーマクラシックでのハイランドリールより小さく、間接比較では互角の勝負も可能と思わせる。成績が安定しない一方で、天井がどこにあるのか解らない面を残しており、一発の魅力は秘めている。もう1頭のスマートレイアーはとにかく初距離への対応。後方から直線勝負が前提だろうが、マイル重賞を逃げ切るほどのスピードがあるだけに、大胆な策でハイランドリールにひと泡吹かせてくれれば痛快だ。

この他では、香港ヴァーズで最多の7勝を誇るフランス勢に注目。実績上位は7月のサンクルー大賞でG1勝ちを飾ったシルバーウェーヴだが、超良血ワンフットインヘヴンも楽しみな存在。A.ドゥロワイエデュプレ調教師は2009年にダリヤカーナで香港ヴァーズを制した実績があり、早い段階からワンフットインヘヴンでの挑戦を表明していた。