前走のブリーダーズカップフィリー＆メアターフで日本調教馬による史上初のBC制覇という歴史的快挙を成し遂げたラヴズオンリーユー。レースでは日本馬の能力を知るR.ムーア騎手（英オークス馬ラブに騎乗）に勝負所から進路を締められる厳しい形を強いられたが、250m足らずの短い直線でわずかなスペースから末脚を炸裂させて一気に片をつけた。2着との着差こそ半馬身だったものの、終わってみれば1頭だけ違う力を見せつける完勝劇となった。

レース後はデルマー競馬場に滞在して調整を進め、現地2日の未明に香港入り。この香港Cでいよいよ引退レースを迎える。シャティン競馬場は4月のクイーンエリザベス2世Cで経験済みのうえ、今回と同じ2000mで勝っており条件的には全く問題ない。また、クイーンエリザベス2世Cではドバイから日本に帰国することなく香港へ直行したため、現地調整の分を含めてアメリカからの移動が負担になることもないだろう。ドバイとの比較では移動距離が約2倍に延びた一方、レース間隔は当時より1週長くなり、前走後に疲労を回復する時間も取れている。今回で海外は4戦目のラヴズオンリーユーとすれば、このような心配は重箱の隅を突くような話かもしれない。

結果ばかりは神のみぞ知るところだが、有終の美へ舞台は整ったと見て良さそうだ。