香港カップ

2021/12/12(日) 17:35発走 シャティン競馬場

日本馬挑戦の歴史JAPANESE HISTORY

G1昇格後の停滞期を越え、2015年以降は日本調教馬が堂々の主役

香港カップはG2時代の2勝を含めて通算7勝、2着5回、3着2回と、日本調教馬が香港国際競走の4レースの中で最も活躍している。日本調教馬が招待の対象に加えられた1993頭以降では、出走37頭で勝率18.9%と20%に迫り、連対率は32.4%、複勝率なら37.8%と4割をうかがう高率。5頭が出走した2016年はモーリスが1着、3頭以上が出走した2015年以降の5回では3着以内に必ず1頭以上が入着し、数字通りの結果を残している。3頭が出走予定の今年も上位争いの期待は大きい。

日本調教馬による初制覇はG2時代のフジヤマケンザン(1995年)で、1998年にもミッドナイトベットが優勝。G1昇格後では2年目の2001年にアグネスデジタルが勝利し、1993年に初参戦したナリタチカラから出走7頭で3勝と、ここまでは抜群の存在感を発揮していた。

しかし、2002年以降は毎年のように優勝馬の調教国が変わる群雄割拠の時代を迎える一方、地元の香港調教馬たちも力をつけて競争が激化。日本調教馬はアドマイヤムーン(2006年)とトウケイヘイロー(2013年)による2着が最高と、10年余り勝利から遠ざかることになった。

日本調教馬をトンネル脱出に導いたのは2015年のエイシンヒカリ。ハイペースの逃げで後続に影を踏ませず、レースレコードを叩き出す完ぺきな走りで14年ぶりの勝利を日本にもたらした。2着にはヌーヴォレコルトが追い込み、初のワンツーフィニッシュを演出。これが反撃の狼煙となった。続く2016年もモーリスが圧巻の末脚で3馬身突き抜け、日本調教馬は優勝争いの常連に返り咲く。

2017年は春のクイーンエリザベス2世Cを制したネオリアリズムが3着に粘走、2018年もディアドラが2着を確保すると、2019年にはウインブライトがゴールで短アタマの接戦を際どくものにしてクイーンエリザベス2世Cとのダブル制覇を達成する。それとともにエイシンヒカリのレースレコードも更新した。

ウインブライトは連覇を狙った2020年に2着に敗れ、香港での出走機会3連勝も逃すことになったが、これを阻止したのがノームコア。2分00秒50の勝ち時計でレースレコードも更新し、日本調教馬は2度目のワンツーフィニッシュを決めた。

馬名 性齢 着順 騎手 調教師
2020 ノームコア 牝5 1 Z.パートン 萩原清
ウインブライト 牡6 2 松岡正海 畠山吉宏
ダノンプレミアム 牡5 4 W.ビュイック 中内田充正
2019 ウインブライト 牡5 1 松岡正海 畠山吉宏
2018 ディアドラ 牝4 2 C.ルメール 橋田満
サングレーザー 牡4 4 J.モレイラ 浅見秀一
ステファノス 牡7 9 W.ビュイック 藤原英昭
2017 ネオリアリズム 牡6 3 J.モレイラ 堀宣行
ステファノス 牡6 4 H.ボウマン 藤原英昭
スマートレイアー 牝7 5 武豊 大久保龍志
2016 モーリス 牡5 1 R.ムーア 堀宣行
ステファノス 牡5 3 C.スミヨン 藤原英昭
ラブリーデイ 牡6 4 H.ボウマン 池江泰寿
クイーンズリング 牝4 9 M.デムーロ 吉村圭司
エイシンヒカリ 牡5 10 武豊 坂口正則
2015 エイシンヒカリ 牡4 1 武豊 坂口正則
ヌーヴォレコルト 牝4 2 R.ムーア 斎藤誠
ステファノス 牡4 10 戸崎圭太 藤原英昭
サトノアラジン 牡4 11 J.マクドナルド 池江泰寿
2014 アルキメデス 牡5 7 岩田康誠 藤原英昭
2013 トウケイヘイロー 牡4 2 武豊 清水久詞
2009 クィーンスプマンテ 牝5 10 田中博康 小島茂之
2007 シャドウゲイト 牡5 5 田中勝春 加藤征弘
2006 アドマイヤムーン 牡3 2 武豊 松田博資
ディアデラノビア 牝4 7 福永祐一 角居勝彦
2004 ダンスインザムード 牝3 13 O.ペリエ 藤沢和雄
2003 エイシンプレストン 牡6 7 福永祐一 北橋修二
マグナーテン セ7 13 K.デザーモ 藤沢和雄
2002 エイシンプレストン 牡5 5 福永祐一 北橋修二
2001 アグネスデジタル 牡4 1 四位洋文 白井寿昭
1999 エアジハード 牡4 取消   伊藤正徳
1998 ミッドナイトベット 牡4 1 河内洋 長浜博之
1997 サイレンススズカ 牡3 5 武豊 橋田満
1996 シーズグレイス 牝3 9 福永祐一 森秀行
1995 フジヤマケンザン 牡7 1 蛯名正義 森秀行
1994 フジヤマケンザン 牡6 4 蛯名正義 森秀行
1993 ナリタチカラ 牡5 7 武豊 大久保正陽