香港スプリント

2021/12/12(日) 15:40発走 シャティン競馬場

日本馬挑戦の歴史JAPANESE HISTORY

重い扉を開いたロードカナロアに息子のダノンスマッシュが続く

香港スプリントは2002年のG1昇格当初から地元勢のレベルが高く、日本をはじめ海外からの遠征馬が悪戦苦闘を続けている。日本調教馬は香港スプリントがG1に昇格する以前から国内最強クラスが積極的に参戦してきたものの、2009年までの延べ12頭のうち8頭が10着以下と、活路を見出せない暗中模索の状態に陥っていた。

しかし、初参戦から10年あまりが経った2011年、破竹の5連勝でスプリンターズSを制したカレンチャンが歴代最高の5着に善戦。直線入口で進路を失う不利がなければ4着馬との1/4馬身差も逆転可能だったと思わせる走りで、日本のスプリンターたちに一筋の光明をもたらす。

その翌年、カレンチャンを破ってスプリンターズSの覇者となった厩舎の後輩ロードカナロアが、雪辱を期すカレンチャンとともに香港遠征を決行。カレンチャンは発馬の不利で勝機を逸したものの、好位追走のロードカナロアは残り100mから2馬身半抜け出して歴史的勝利を手にした。翌年に日本の短距離戦線を制圧したロードカナロアは、香港スプリントにも2年連続で参戦。単勝1.8倍の圧倒的人気を集めると、好位勢の背後からレース史上最大の5馬身差を開いて連覇を成し遂げた。

続く2014年もストレイトガールが3着と結果を出し、かつて日本調教馬が惨敗し続けた負の歴史を払しょくしたかに思われた。しかし、そのストレイトガールが翌年は9着に敗退すると、2016年は高松宮記念のビッグアーサー、スプリンターズSのレッドファルクスと2頭の王者がそろって10着以下に惨敗。2018年にも春秋スプリント制覇のファインニードルが8着と、再び国内最強クラスをもってしても及ばない状態に陥った。

そこに現れたのがロードカナロアの息子ダノンスマッシュだった。2019年の香港スプリントで8着に完敗したダノンスマッシュは、2020年も悲願のG1制覇を賭けて再遠征。不利な大外枠から中団を確保すると直線もしぶとく末脚を伸ばし、7着まで1馬身半差の混戦を断って偉大な父に続いた。父子制覇で日本調教馬3勝目としたダノンスマッシュは、この2021年に父子連覇の大偉業を狙う。

馬名 性齢 着順 騎手 調教師
2020 ダノンスマッシュ 牡5 1 R.ムーア 安田隆行
タワーオブロンドン 牡5 13 W.ビュイック 藤沢和雄
2019 ダノンスマッシュ 牡4 8 L.デットーリ 安田隆行
2018 ファインニードル 牡5 8 川田将雅 高橋義忠
2017 レッツゴードンキ 牝5 6 岩田康誠 梅田智之
ワンスインナムーン 牝4 12 Z.パートン 斎藤誠
2016 ビッグアーサー 牡5 10 R.ムーア 藤岡健一
レッドファルクス 牡5 12 M.デムーロ 尾関知人
2015 ミッキーアイル 牡4 7 浜中俊 音無秀孝
ストレイトガール 牝6 9 戸崎圭太 藤原英昭
サクラゴスペル 牡7 12 Z.パートン 尾関知人
2014 ストレイトガール 牝5 3 岩田康誠 藤原英昭
スノードラゴン 牡6 8 大野拓弥 高木登
リトルゲルダ 牝5 14 M.デムーロ 鮫島一歩
2013 ロードカナロア 牡5 1 岩田康誠 安田隆行
2012 ロードカナロア 牡4 1 岩田康誠 安田隆行
カレンチャン 牝5 7 池添謙一 安田隆行
2011 カレンチャン 牝4 5 池添謙一 安田隆行
パドトロワ 牡4 14 安藤勝己 鮫島一歩
2009 ローレルゲレイロ 牡5 13 藤田伸二 昆貢
2008 ローレルゲレイロ 牡4 8 四位洋文 昆貢
トウショウカレッジ 牡6 9 池添謙一 池添兼雄
2006 シーイズトウショウ 牝6 10 池添謙一 鶴留明雄
メイショウボーラー 牡5 中止 福永祐一 白井寿昭
2005 アドマイヤマックス 牡6 11 上村洋行 橋田満
2004 サニングデール 牡5 7 福永祐一 瀬戸口勉
カルストンライトオ 牡6 14 大西直宏 大根田裕之
2002 ショウナンカンプ 牡4 10 藤田伸二 大久保洋吉
ビリーヴ 牝4 12 武豊 松元省一
2001 ダイタクヤマト 牡7 12 江田照男 石坂正
メジロダーリング 牝5 13 吉田豊 大久保洋吉