香港スプリントと香港マイルは地元勢が圧倒的優位を築いているが、スプリント路線が雨後のたけのこの如く現れる新星によって厚い層を保っているのに対し、マイル路線は強力な1頭が王座を引き継ぐように君臨して外国勢の挑戦を跳ね返してきた。距離は400m違うだけだが、その様相は大きく異なっている。

現状のマイル路線はゴールデンシックスティが絶対王者。ただ、カリフォルニアスパングルの実力も相当なもので、逃げ・先行の軽快なスピードを武器にデビューから13戦8勝、2着5回と連対をはずしたことがない。来年の今ごろは香港のエースに名乗りを挙げているかもしれない逸材で、日本をはじめとする外国勢にとっては今後を見通す上でも要チェックの存在だ。

昨シーズンの4歳三冠シリーズでは、今や中距離路線の顔役となったロマンチックウォリアーと激闘を展開。香港クラシックマイルで1/2馬身差、香港ダービーはアタマ差で惜敗したが、香港クラシックCではライバルに2馬身余りの差をつけて一冠を制した。その後はチャンピオンズマイルでゴールデンシックスティに2馬身差の完敗を喫したものの、今季は初戦のG3セレブレーションCからG2シャティントロフィーを連勝。前走のジョッキークラブマイルは2kg軽い斤量ではあるものの、ゴールデンシックスティのクビ差に食い下がっており、逆転への布石は打っている。