香港マイル

2022/12/11(日) 17:00発走 シャティン競馬場

見どころPREVIEW

史上2頭目の3連覇を狙うゴールデンシックスティ。(Photo by The Hong Kong Jockey Club)

焦点はゴールデンシックスティの3連覇、日本勢は今年も苦戦を免れず

絶対王者ゴールデンシックスティが史上2頭目となる3連覇を狙う今年の香港マイルだが、7歳を迎えても衰えた様子は見られず偉業達成の可能性は高い。仮に阻止できるとしても、それを実現しそうなのは次期エース候補のカリフォルニアスパングルで、2頭が参戦する日本勢にとっては一角崩しが現実的な目標になりそうだ。

昨年の香港マイルではマイペースの逃げに持ち込んだサリオスを楽々と抜き去り、日本勢を全く寄せつけなかったゴールデンシックスティ。次戦のスチュワーズCでまさかの2着に敗れたが、半マイル通過49秒47という香港マイルよりさらに1秒55も遅いペースにはまってしまった。それでも、2戦後から前走までマイル戦を3連勝と本来の姿を取り戻している。新シーズンで7歳を迎えたものの、前哨戦のジョッキークラブマイル(JCマイル)では持ち味の強靭な末脚を炸裂させて衰えも見られない。叩き2戦目は予定通りで、力を発揮できさえすれば3連覇は濃厚だろう。

3連覇の偉業を阻止するとすれば、地元の新鋭カリフォルニアスパングルが筆頭かつ唯一の候補という印象。香港4歳三冠戦から向かったチャンピオンズマイルではゴールデンシックスティと同斤で2馬身差、前走のJCマイルは斤量2kgもらいで叩き3戦目の有利な条件でもねじ伏せられ、現状の実力的に一枚落ちは否めない。ただ、絶対王者は7頭立てのスチュワーズCで差し損じている。過去の対戦時より頭数が増える今回、クビ差に粘ったJCマイルのような遅いペース(半マイル通過49秒23)に持ち込めれば逆転の目も。

香港マイルで復権を狙うシュネルマイスター。(Photo by Tomoya Moriuchi)

日本勢は前門のカリフォルニアスパングル、後門のゴールデンシックスティに挟まれてレース運びが難しい。昨年はサリオスがD.レーン騎手の好判断で先手を打ち、直線まで完璧な立ち回りを見せたが王者に並ぶ間もなく差し切られた。そのサリオスは出走取消となり、シュネルマイスターとダノンスコーピオンにとってはカリフォルニアスパングルを捕らえられるかが当面のテーマとなるだろう。

スチュワーズCで王者を撃破したワイクク、昨年はサリオスを差し切って2着のモアザンディスももちろん侮れない。豪州から参戦するローズオブインディシーズは移籍前の欧州でG1ジャンプラ賞を勝っているが、その実績を含んでも荷が重そうな印象。ビューティージョイもZ.パートン騎手が僚馬カリフォルニアスパングルを選択しており勝機は薄いか。

(渡部浩明)