ジャックルマロワ賞

Prix Jacques le Marois

2018/08/12(日)23時25分発走 ※出走日時は日本時間

ドーヴィル競馬場

見どころ

レースの中心と予想されるアルファセントーリ。(Photo by Getty Images)

アルファセントーリが不動の中心か 道悪なら思わぬ波乱も

集中豪雨に猛暑と歴史的な異常気象に見舞われている今夏の日本だが、ポルトガルで45℃を超える気温が記録されたのをはじめ、欧州各地も例年にない気象状況にある。好天続きの英国では硬化した馬場を敬遠して出走頭数が減少するなど競馬界も影響を受けているが、今年のジャックルマロワ賞は天候によって結果が大きく左右されることもありそうだ。

中心視されるアルファセントーリはG1レースを3連勝中で飛ぶ鳥を落とす勢いにあるが、いずれも硬めの良馬場でのもの。英G1コロネーションSでは従来のコースレコードを1秒余り更新するなど、結果に表れているとおり高速馬場への適性には疑いの余地がない。ドーヴィル競馬場の直線1600mはスピードを問われる舞台だけに、ジャックルマロワ賞当日も良馬場に恵まれれば勝利に最も近い存在となりそうだ。

しかし、通算8戦5勝、2着1回という安定した戦績の中で、連逸した昨季最終戦と今季初戦の2戦はともに道悪。1着から離された5着、10着と大きくパフォーマンスを落としている。

これに対して地元フランスの3歳牝馬ウィズユーは、G1初制覇となった前走の仏G1ロートシルト賞をはじめ、稍重より重い馬場状態でしかレース経験がない。G1仏オークスなど今年の3戦はいずれもG1で勝ち負けを演じ、2歳時には不良馬場でG3を含む2戦2勝と道悪巧者ぶりを発揮していた。良馬場は未経験なだけで苦手と決まった訳ではないが、道悪でより信頼度が増す馬であることは確かだろう。

ジャックルマロワ賞は凱旋門賞と同様に地元馬有利の傾向が出ており、ウィズユー以外の実力馬にもマークが必要だ。上記2頭と同じ3歳馬では、前走で今回と同舞台の仏G1ジャンプラ賞を制したインテロジャントと、短クビ差2着のカスカディアン。走破時計の1分35秒83はジャックルマロワ賞の歴代勝利タイムと比較しても上位クラスで、さらに1馬身差の3着グスタフクリムトが英G1セントジェームズパレスS2着、古馬相手の英G1サセックスS4着とマイルG1で実績を残しており、地元3歳馬2頭が今回上位にきても不思議はない。

地元古馬勢は昨年の仏ダービー3着馬で、今年の5月末にイスパーン賞でG1初制覇を飾ったレコレトスの上昇力が侮れないが、重賞実績は道悪に偏っている。良馬場となった場合は馬場不問のインテロジャントとカスカディアンに分があるか。

アルファセントーリ以外の外国勢では、愛2000ギニー馬のローマナイズド。愛2000ギニーの走破時計は翌日の愛1000ギニー(アルファセントーリ)とそん色なく、好走条件が合致している。急加速はできない一方、終盤に向けてギアを着実に上げていくタイプで、伸び伸び走れる直線競馬は合いそうだ。その分だけ道中の不利は避けたいため、枠順は内外極端な方が良いかもしれない。

前走のクイーンアンSでG1初制覇のアクシデンタルエージェントは今回が試金石。再び上位争いを演じるようなら、今後の欧州マイル路線で目を離せない1頭となる。