【香港スプリント】今年も香港勢の上位独占か!? 過去10年のレース傾向
2020年12月11日 11:00
昨年はビートザクロックが勝利するなど近5年は地元香港勢の上位独占が続いている香港スプリント。2010年以降・過去10年のデータを中心にレース傾向ならびに馬券での狙いどころを探っていく。
表1はJRAで馬券発売が開始された2016年以降・近4年の香港スプリント3着以内馬と主な券種の配当。近4年以前の15年から5年連続で香港馬が3着以内を独占している。
性齢別ではセン馬5歳が毎年1頭は3着以内に入っている。また、近4年だけでも17年・18年連覇を達成したミスタースタニング、同年2年連続2着のディービーピン、一昨年3着、昨年1着のビートザクロックなど、リピーターが目立つのが大きな特徴だ。
近4年の勝ち馬はすべて上位4番人気以内。16~18年にかけては6番人気以下の伏兵が1頭は激走し、3連単で万馬券となっていた。
表2は前走レース別3着以内数。香港での前哨戦・ジョッキークラブスプリント組が昨年のビートザクロックら過半数の6勝をあげ、3着以内数でも23回と大半を占めている。近5年では17年3着ブリザードを除く14頭がこの組だった。ただし、前走1着馬で勝利したのは17年ミスタースタニングのみ。一昨年2着のディービーピン(前走9着)のように前走5着以下からも8頭が巻き返しており、注意しておきたい。
3勝で続くのがスプリンターズS組。12年・13年連覇のロードカナロアの他に、11年には香港馬ラッキーナインもこの組から勝利している。
地元のジョッキークラブスプリント組、日本のスプリンターズS組の2レースが中心で間違いない。
表3はゲート番別成績。中央寄りの6~9番に入った馬で半数の5勝をあげている。特に6番は12年ロードカナロアら2勝をあげ、連対率・複勝率50%と非常に高い。2番も複勝率50%で並んでいる。これら1~9番までは3着以内馬が複数頭出ているが、10番・11番は好走馬なしと不振傾向にある。
内の1~7番と外の8~14番で2分した場合、内は【6-9-6-49】で複勝率30.0%、外は【4-2-3-53】で同15.0%。内の方が2倍高い率を残しており、優勢となっている。
表4は調教国別3着以内数。香港調教馬が14年から6連勝、15年から5年連続で上位3着までを独占するなど、3着以内馬30頭中24頭と他を圧倒している。香港のスプリンター勢は非常に層が厚く、割って入るのは至難の業といえるだろう。
日本馬は12年・13年にロードカナロアが連覇。14年もストレイトガールが3着と好走しているものの、近5年ではのべ9頭が挑んでいずれも着外に敗れている。
他では南アフリカ調教馬が10年にジェイジェイザジェットプレーンが勝利。勝ち馬はこの3か国に絞られていた。
最後に表5は過去10年に3着以内に好走した日本馬3頭と今年出走予定のタワーオブロンドンとダノンスマッシュ。ロードカナロアは2年連続でスプリンターズSを勝利。ストレイトガールは前走スプリンターズSは2着、同年春の高松宮記念でも3着と春秋のスプリントG1で安定した力を示していた。
タワーオブロンドンは今年は連対なしとややスランプ気味で、休み明けで巻き返しなるか。ダノンスマッシュは前走スプリンターズS2着も、高松宮記念は10着に敗退。昨年の香港スプリントでは8着に敗れており、今年は激走に期待したい。