【世界の馬主紹介 Vol.2】クールモア

2018年05月22日 17:11

アイルランド出身で同国の上院議員を務めたこともあるジョン・マグニア(1948年生まれ)を中心とするサラブレッド事業体(クールモア/キャッスルハイド&アソシエーテッドスタッドファームズ)。ジョンは1966年に急死した父のグランジスタッドを引き継ぐ形で牧場経営をスタート。やがてその才覚がヴィンセント・オブライエン調教師(故人、英ダービー6勝、凱旋門賞3勝)と大馬主ロバート・サングスター(故人、英ダービー2勝、凱旋門賞2勝)の目に留まり、ともにクールモアの基幹牧場であるクールモアスタッドをアイルランドで立ち上げた。今ではジョンの息子であるトムとMV(マイケル・ヴィンセント)もクールモアの中核を担う。

現在のクールモアは、アイルランドのほかにもアメリカ(アシュフォードスタッド)、オーストラリア(クールモアオーストラリア)にも牧場を構え、英愛首位種牡馬8年連続9回のガリレオ、米三冠馬アメリカンファラオなど70頭ほどの種牡馬を繋養(シャトル供用される馬をそれぞれ1頭とカウント。障害競馬用の種牡馬16頭を含む)。かつては、ガリレオの父で英愛首位種牡馬14回のサドラーズウェルズや英愛・仏・豪で首位種牡馬に輝いたデインヒルも繋養した。

馬主としては、クールモアという名義はなく、現在はジョンの夫人であるスーザン(ヴィンセント・オブライエン調教師の娘)、それにブックメーカーチェーンの経営者だったマイケル・テイバー、ラドブロークス(大手ブックメーカー)のトレーディングディレクターで、不動産や為替取引などで財を成したデリック・スミスの3人の共有という形がほとんど。アイルランドにバリードイルという自前の調教場を持ち、アイルランドにおける所有馬のほとんどはそこでエイダン・オブライエン調教師が調教にあたる。主戦はライアン・ムーア騎手。

英愛ダービー馬ガリレオ、欧州年度代表馬のジャイアンツコーズウェイ(G1愛チャンピオンS、G1英インターナショナルSなど)、ロックオブジブラルタル(G1英2000ギニー、G1愛2000ギニーなど)、ハリケーンラン(G1凱旋門賞、G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスSなど)、ディラントーマス(G1凱旋門賞、G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスSなど)、マインディング(G1英1000ギニー、G1英オークスなど)などがこれまでの代表的な所有馬。

近年のG1勝ち
2018年:
英2000ギニー(イギリス):サクソンウォリアー

2017年:
香港ヴァーズ(香港):ハイランドリール
BCジュベナイルターフ(アメリカ):メンデルスゾーン
レーシングポストトロフィー(イギリス):サクソンウォリアー
英チャンピオンズフィリーズ&メアズS(イギリス):ハイドレンジア
デューハーストS(イギリス):ユーエスネイビーフラッグ
サンチャリオットS(イギリス):ローリーポーリー
ジャンリュックラガルデール賞(フランス):ハッピリー
オペラ賞(フランス):ロードデンドロン
チェヴァリーパークS(イギリス):クレミー
ミドルパークS(イギリス):ユーエスネイビーフラッグ
英セントレジャー(イギリス):カプリ
モイグレアスタッドS(アイルランド):ハッピリー
愛メイトロンS(アイルランド):ハイドレンジア
愛フェニックスS(アイルランド):スーネーション
英ナッソーS(イギリス):ウィンター
ロートシルト賞(フランス):ローリーポーリー
ファルマスS(イギリス):ローリーポーリー
愛ダービー(アイルランド):カプリ
コモンウェルスカップ(イギリス):カラヴァッジオ
コロネーションS(イギリス):ウィンター
プリンスオブウェールズS(イギリス):ハイランドリール
英ダービー(イギリス):ウイングスオブイーグルス
コロネーションカップ(イギリス):ハイランドリール
愛1000ギニー(アイルランド):ウィンター
愛2000ギニー(アイルランド):チャーチル
英1000ギニー(イギリス):ウィンター
英2000ギニー(イギリス):チャーチル

2016年:
BCターフ(アメリカ):ハイランドリール
クイーンエリザベス2世S(イギリス):マインディング
デューハーストS(イギリス):チャーチル
フィリーズマイル(イギリス):ロードデンドロン
凱旋門賞(フランス):ファウンド
サンチャリオットS(イギリス):アリススプリングス
愛ナショナルS(アイルランド):チャーチル
愛メイトロンS(アイルランド):アリススプリングス
ヨークシャーオークス(イギリス):セブンスヘブン
愛フェニックスS(アイルランド):カラヴァッジオ
英ナッソーS(イギリス):マインディング
サセックスS(イギリス):ザグルカ
キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(イギリス):ハイランドリール
愛オークス(アイルランド):セブンスヘブン
ファルマスS(イギリス):アリススプリングス
プリティポリーS(アイルランド):マインディング
英オークス(イギリス):マインディング
仏2000ギニー(フランス):ザグルカ
ヒューマナディスタフS(アメリカ):タリス
英1000ギニー(イギリス):マインディング

(注1)スーザン・マグニア、マイケル・テーバー、デリック・スミスの3人による共有のG1勝ちを抜粋
(注2)このほかに2017年のG1愛セントレジャー(アイルランド)や2016年のG1ゴールドカップ(イギリス)を制したオーダーオブセントジョージ、ジョン・マグニアの母エヴリン・ストックウェルの自家生産馬で2016年のG1チェヴァリーパークS(イギリス)を勝ったブレイヴアンナなどもクールモア関係のG1勝ち馬

文:秋山 響(TPC)