凱旋門賞

2021/10/3(日) 23:05発走 パリロンシャン競馬場

沿革HISTORY

凱旋門賞(G1)
2021年10月3日 (日) 23:05[現地時間 2021年10月3日 (日) 16:05]
フランス パリロンシャン競馬場
芝右2400m 3歳以上(セン馬不可)
負担重量:4歳以上=牡馬59.5kg、牝馬 58kg 3歳=牡馬 56.5kg、牝馬 55㎏

賞金総額:500万ユーロ(約6億5000万円)
1着賞金:285万7000ユーロ(約3億7141万円)
※1ユーロ=130円で換算



凱旋門賞の創設は今から101年前の1920年。日本では箱根駅伝のルーツとなる第1回四大校駅伝競走が開催された大正9年のことで、第一次大戦におけるフランスの戦勝記念と、戦時下で衰退した競馬産業の再生を目的としていた。第二次世界大戦中の1939年と1940年には中止され、この2021年に記念すべき100回目の開催を迎えるに至った。

創設の背景からもフランスの威信を賭けた思いが窺えるように、レースの歴史は地元馬が圧倒的な優勢を誇る。昨年はソットサスを筆頭に上位5着までを独占するなど、過去99回で68勝と勝率は約7割に上る。ただ、1990年から2009年までの20回ではフランス勢が14勝(勝率7割)と圧倒していたが、2010年以降の11回では5勝と勝率5割に満たず、近年は外国調教馬に苦戦を強いられている。

また、その期間は牝馬の台頭が目覚ましく、2011年にドイツのデインドリームが当時のレースレコードで優勝したのをはじめ、2013年と2014年に地元フランスのトレヴが36年ぶり6頭目の連覇を達成。2016年にはアイルランドのファウンドがレースレコードを更新し、2017年と2018年にもイギリスのエネイブルが連覇を果たすなど、昨年までの最近10回で牝馬が国際色豊かに計7勝を挙げている(2016年と2017年はパリロンシャン競馬場の改修工事に伴いシャンティイ競馬場での代替開催)。

<調教国別の勝利数>
フランス 68頭
イギリス 15頭
アイルランド 8頭
イタリア 6頭
ドイツ 2頭

イギリスの15頭にはS.ビン・スルール調教師の管理馬3頭が含まれている。オフシーズンはUAEで管理されるが、ハイシーズンはイギリスのニューマーケットを拠点にしており、欧州域外からは実質的に未勝利。2着まで対象を広げても、欧州域外の該当馬は日本のエルコンドルパサー(1999年)とナカヤマフェスタ(2010年)、オルフェーヴル(2012、2013年)、ニュージーランドのバルメリーノ(1977年)の4頭(計5回)しかいない。

日本調教馬は2020年まで25頭が計27戦し、前記3頭による2着(計4回)が最高。欧州域外からの挑戦としては健闘しており、今や欧州の競馬関係者たちにも勝利は悲願として認知されるまでになった。しかし、これらの他に5番手以内でゴールしたのはディープインパクト(3位入線後に失格)、キズナ(4着)の2頭しかおらず、2014年以降は計11頭が挑んで7頭が10着以下と停滞している。

なお、4歳以上の古馬と3歳馬との間に3kgもの斤量差(牝馬は1.5kg減)があるため、3歳馬が過去99回で60勝と6割の勝率を築いているものの、最近10回では4勝と減少傾向。そのうち2勝には連覇を果たしたトレヴとエネイブルが3歳時に挙げた物が含まれる。一昨年はヴァルトガイストが5歳以上として2002年のマリエンバード以来となる勝利を挙げるなど、近年は古馬の勢いが勝っている。

連覇は上記のトレヴとエネイブルのほかにクサール(1921、1922年)、コリーダ(1936、1937年)、タンティエーム(1950、1951年)、リボー(1955、1956年)、アレッジド(1977、1978年)の計7頭が達成した。

人物ではL.デットーリ騎手の6勝、A.ファーブル調教師の8勝が単独最多の勝利記録。ファーブル師にとって2019年のヴァルトガイストは13年ぶりの勝利だったが、2015年にフリントシャー(2着)とニューベイ(3着)、2017年と2018年にもクロスオブスターズで3着以内を確保するなど、地元リーディングの常連らしい顕著な実績を残してきた。また、最近6回では英国のJ.ゴスデン調教師が2015、2017、2018年と3勝(2着も1回)、アイルランドのA.オブライエン調教師は2016年に上位3着までを独占と、欧州を代表する名伯楽たちが存在感を発揮している。