ドバイゴールデンシャヒーン

2022/3/26(土) 23:45発走 メイダン競馬場

日本馬挑戦の歴史JAPANESE HISTORY

日本調教馬は未勝利も、サウジルートの誕生で機会拡大

ブロードアピールがドバイゴールデンシャヒーンに日本調教馬として初参戦したのは2002年。当時はナドアルシバ競馬場の「直線ダート1200m」という、日本では経験できない特殊な条件で施行されていた。

それに加え、中央競馬においてはダートの短距離重賞が少ない事情もあり、参戦頭数は2021年までに延べ15頭と多くない。そうした背景もあって日本調教馬は未勝利だが、過半数の8頭が5着以内の結果を残しており、経験値が不足気味の現状で健闘している。まったく未知の直線時代にいきなり5着に食い込んだブロードアピールの走りは価値あるものだった。

ブロードアピールは遠征した時点で8歳の牝馬。引退していても不思議のない大ベテランだったが、世界のスピードに食らいついて後半から持ち味の末脚を伸ばし、前方の半分以上を追い抜いた。2年後に遠征したマイネルセレクトは、序盤に他の11頭を先導しての5着。着順はブロードアピールと同じでも、対照的な内容でスピードが通用することを示し、勝ち馬との着差(4馬身3/4)でも世界との距離を縮めた。

ナドアルシバ競馬場で最後の開催となった2009年には、バンブーエールが終盤に猛然と盛り返す見せ場を作って4着。3着には惜しくも半馬身届かなかったが、日本馬最高の着順を更新した。2010年からはメイダン競馬場がオープンし、直線ダートから左回りオールウェザー(AW)の1200mに施行条件が大きく変更。芝のスプリント王ローレルゲレイロが参戦してバンブーエールと同じ4着に続いた。

レースは2015年にAWからダートに再変更され、現在と同じ「左回りダート1200m」に。2018年のマテラスカイは本場アメリカの超一流馬たちと互角のスピードで渡り合い、直線半ばまで首位をうかがう大きな見せ場を作って5着に善戦すると、再挑戦の2019年はスピードに一段と磨きをかけて2番手を追走。そのままポジションを守り抜き、日本調教馬としてついに初連対を果たした。

2020年はコロナ禍で開催中止となったが、直前の2月にUAEの隣国・サウジアラビアにリヤドダートスプリントが誕生し、ドバイへ転戦するルートが開けた。それも手伝って2021年は過去最高の4頭が参戦。フェブラリーSから臨んだレッドルゼルが2着に食い込む一方、リヤドダートスプリント勝ちから転戦したコパノキッキングも5着と結果を出した。

馬名 性齢 着順 騎手 調教師
2021 レッドルゼル 牡5 2 R.ムーア 安田隆行
コパノキッキング セ6 5 W.ビュイック 村山明
ジャスティン 牡5 11 坂井瑠星 矢作芳人
マテラスカイ 牡7 12 戸崎圭太 森秀行
2019 マテラスカイ 牡5 2 武豊 森秀行
2018 マテラスカイ 牡4 5 武豊 森秀行
2017 ディオスコリダー 牡3 11 S.フォーリー 高橋義忠
2013 タイセイレジェンド 牡6 12 R.ムーア 矢作芳人
2010 ローレルゲレイロ 牡6 4 藤田伸二 昆貢
2009 バンブーエール 牡6 4 武豊 安達昭夫
2007 アグネスジェダイ 牡5 10 武豊 森秀行
シーキングザベスト 牡6 11 福永祐一 森秀行
2006 アグネスジェダイ 牡4 6 吉原寛人 森秀行
2004 マイネルセレクト 牡6 5 武豊 中村均
2002 ブロードアピール 牝8 5 O.ペリエ 松田国英