ドバイターフ 2023/3/26(日) 00:10発走 メイダン競馬場

見どころPREVIEW

ドバイターフで3連覇を狙うロードノース。(Photo by Getty Images)

3連覇狙うロードノースと近年支配的な日本勢、地元ゴドルフィン勢の三つ巴か

昨年のドバイターフは日本のパンサラッサと英国のロードノースが同着で優勝を分け合い、ロードノースは2連覇で史上初の快挙を成し遂げた。ただし、パンサラッサが優勝したことにより、日本勢は直近8回で5勝と相性の良さを進化させている。今回もロードノースと日本勢の対決の構図が軸となるが、地元のゴドルフィン勢も実力馬を送り込み、例年以上に面白いレースを見られそうだ。

何はさておき主役の一頭としてロードノースは外せない。同一レース3連覇は至難の業だが、ドバイターフの歴史を振り返るとリピーターの活躍が目立っているのも事実。日本調教馬だけでもヴィブロスが3年連続連対、リアルスティールとヴァンドギャルドも入着2回と上位争いを繰り返した。ヴィブロスとリアルスティールが各1勝なのに対し、すでに2勝しているロードノースなら、3連覇はともかく3年連続の入着があっても驚くようなことではない。臨戦過程は昨年以上と見え、L.デットーリ騎手も当日が最後のワールドカップナイト。陣営を包むムードは1年前より上と見る。

これに待ったをかけるのは、やはり日本勢であってほしい。昨年はパンサラッサが楔を打ち込み、ヴァンドギャルドもハナ差の3着で連覇阻止の寸前まで行った。接戦を経験済みのヴァンドギャルドは三度目の正直を狙う立場。メイダン競馬場の実績は日本勢で頭ひとつ抜けており、もちろん期待は大きいがセリフォスとダノンベルーガにももちろんチャンスはある。

昨年のマイルCSを制したセリフォス(Photo by Toru Arita)

セリフォスは昨年のマイルCSで悲願の初G1制覇。モデルチェンジに成功しており、レースの引き出しも増えた。伸び盛りの年齢で、D.レーン騎手とのコンビ継続でG1連勝は大いに期待できる。同じことはダノンベルーガにも言える。左回り1800mは3歳時に制した共同通信杯と同じ条件。ドバイターフの左回り1800mは恐らくベストの舞台と言え、一矢報いるチャンスもあるだろう。

この構図に割って入りそうな第三勢力が地元UAEのゴドルフィン3頭。リアルワールドのレーティング123は出走馬中トップで、数字通りなら勝利へ最短距離にいる。9か月ぶりの実戦となった前哨戦のG1ジェベルハッタ(10着)は、出遅れて型とする先行策を取れなかったばかりか、掛かって自滅したような形。ひと叩きで落ち着きを増し、本来のレースをできれば怖い存在となる。

また、リアルワールドとは厩舎が異なるが、ジェベルハッタのマスターオブザシーズは少々もったいない内容。内の2番枠から五分の発馬を決めるも、リアルワールドの後ろを回り込むようにして外に持ち出されての3着。スローペースの中でロスが多く、脚を余すような格好になった。今季はメイダンでG2ザビールマイル勝ちを含む2戦と順調に来ており、本番での巻き返しもある。僚馬ネーションズプライドは昨夏にアメリカでG1勝ちがあり、BCターフでも5着。その後は2月にメイダンのG3ドバイミレニアムS勝ちで試走を終え、中4週での本番と臨戦過程は申し分ない。

この他ではフランスの前哨戦を楽勝して臨むA.ファーブル厩舎のジュンコ、フェブラリーSでは完敗もBCマイル2着など得意の芝に戻るカナダのシャールズスパイト、平坦コースは安定しているオーダーオブオーストラリアらにも上位争いの力がある。ジェベルハッタを連覇したアルファリークは昨年の本番で7着。今年もスローペースに恵まれた結果で、同2着のエルドラマともども前記のマスターオブザシーズに見劣る印象だ。

(渡部浩明)