ドバイワールドカップ 2023/3/26(日) 01:35発走 メイダン競馬場

見どころPREVIEW

サウジC制覇からドバイWCへ、海外G1連勝を狙うパンサラッサ。(Photo by Getty Images)

大挙8頭で攻勢かける日本勢にチャンス、最大の敵はカントリーグラマー

出走15頭に対して過半数の8頭が日本調教馬というメンバー構成になった今年のドバイWC。対戦機会の少なさから力関係や展開を読みづらく、独特の難しさがある国際レースで、手の内を知る者同士で半分を占める状況は有利だ。13頭のうち6頭が日本勢のサウジCも好結果につながっており、ダート開催での初制覇に大きな期待が懸かる。

今年のドバイWCは大きく分けて3つの見どころがある。1つは冒頭の通り「日本調教馬によるダートでの初制覇なるか」だが、それに加えて「L.デットーリ騎手のドバイにおけるラスト騎乗」、そして「芝実績とダート実績のどちらが有効なのか?」が挙げられる。

まず、日本勢の勝利についてだが、ダート開催において今回ほどチャンスのある年はかつてなかった。出走馬の過半数が日本調教馬というだけでなく、パンサラッサを筆頭に日本勢が大活躍だったサウジCから再戦の外国馬も3頭おり、11頭の関係性を推し量ることができる。

サウジCでは1着のパンサラッサから3着のカフェファラオ、4着のジオグリフ、5着のクラウンプライドまで2馬身少々の圏内。200mの距離延長となる今回で着順が入れ替わっても何ら不思議はない。15頭を見わたすと、ゲートさえ決まればパンサラッサがスムーズに主導権を握れそうな相手関係。他の日本勢は突き放されたサウジCの内容から無理に追い掛けず、前を固めて淡々とした流れに持ち込めれば理想的か。

最大の脅威は前年の覇者カントリーグラマーとL.デットーリ騎手のコンビか。(Photo by Getty Images)

日本勢に待ったをかけるとすれば、やはり前年の覇者カントリーグラマーが最右翼。サウジCではしぶとく末脚を伸ばし、逃げ粘るパンサラッサを3/4馬身差まで追い詰めた。その脚勢からも今回の200m延長で逆転の可能性は十分。勝負所から反応が鈍いタイプで、鞍上が追い通しになるものの終いは確実に伸びてくる。その鞍上、L.デットーリ騎手は恐らくこの一戦がドバイでのラスト騎乗となる。かつてはゴドルフィンの主戦として華々しく活躍した思い出の地で、有終の美を飾りたい気持ちは強いはず。場内の声援も名手を後押しするのではないか。

ハイペースを乗り切った昨年からも、カントリーグラマーは上がりを要す展開が理想。それに対し、瞬発力が生きる流れならエンブレムロードが不気味。昨年のサウジCではカントリーグラマーを豪快に差し切って波乱を呼んだ。連覇を狙った前走は出遅れて最後方から大外を押し上げるロスの大きな展開。流れに乗れない中でもクラウンプライドに1馬身3/4差の6着まで挽回しており、スムーズなら勝ち負けまであるかもしれない。

ドバイで前哨戦を戦ってきた中ではアルマクトゥームチャレンジR1とR2を連勝のアルジールスが高い評価を受けている。R1では6馬身1/2差、R2でも6馬身差のワンサイド。R2で2着に退けたベンドゥーグは同R3でもサルートザソルジャーの2着だが、その相手は8歳のベテランで、2年前のドバイWCは勝ち馬から7馬身余りの5着だった。

そして、ヴェラアズールとジュンライトボルト、ウシュバテソーロの3頭が、勝ち負けはもちろん、どのような内容を残してくれるかが興味深い。ドバイやアメリカのダートには芝でも通用するスピードが必要という指摘があるが、ヴェラアズールはダートから芝、ジュンライトボルトとウシュバテソーロは芝からダートへの転向で素質を開花させた。芝で3勝以上していたジュンライトボルトとウシュバテソーロは、BCディスタフで歴史的金星を挙げたマルシュロレーヌにも通じる物がある。国内ダート戦線をけん引してきたテーオーケインズもいるだけに、適性を量る上で今後のヒントとなるような物を残してくれるのではないか。

(渡部浩明)