ウシュバテソーロ
牡733戦11勝[11-2-5-15]
ダート転向から怒とうの快進撃で挑んだ昨年はハイペースに導かれて豪脚を炸裂。日本調教馬の前に固く閉ざされていた扉を突き破り、ダート開催では初制覇の歴史的偉業を成し遂げた。その後、世界のダート王を目指したBCクラシックは末脚不発に終わったものの、暮れの東京大賞典を着差以上の内容で連覇。日本のダート三強対決が注目された前走のサウジCでもアタマ差の2着と勝利に迫り日本勢で最先着を果たした。ドバイWCは200mの距離延長で一段と実力を発揮しやすく、サンダースノー(2018、2019年)以来となる2頭目の連覇へ視界良好だ。
デルマソトガケ
牡411戦4勝[4-1-2-4]
昨秋のBCクラシック(2着)でドバイWCの覇者ウシュバテソーロに先着し、ダート王の座へ一歩前進するも、2度目の対戦となった前走のサウジC(5着)では逆転を許して日本勢の2番手でゴール。両レースの着順もそのまま入れ替わる形となり、対戦成績上は互角の関係に戻った。3度目の直接対決は相手が前年の優勝馬だけに挑戦者の立場だが、こちらにもUAEダービーを制した実績がある。この1年はアクシデント続きで使い込めずにきたものの、今回は久々の「叩き2戦目」で上積みの余地は十分。サウジアラビアからドバイへの転戦も昨年に結果を出しており、経験値ではウシュバテソーロより優位に立っている。
カビールカーン
牡411戦10勝[10-1-0-0]
異国の地を渡り歩いた競走馬がドバイワールドカップに挑む。日本で繋養されることとなったカリフォルニアクロームを父に持ち、米国生まれ、カザフスタンでデビューし、ロシアを主戦場にしてきた。現在はUAEのD.ワトソン厩舎に所属。重賞初挑戦でアルマクトゥームチャレンジ(G1)を制し、勢いそのままに世界の頂点に上り詰めるか。
セニョールバスカドール
牡618戦7勝[7-2-2-7]
前走のサウジCではウシュバテソーロとともに離れた後方を追走。勝負所から反応良く動いたウシュバテソーロに対してワンテンポ遅れる格好になったものの、しぶとく追撃すると最後の一完歩で勝利をさらった。2頭の間にはアタマ差しかなかったが、1着賞金1000万ドル(約15億円)に対して2着は350万ドル(約5億3000万円)とほぼ10億円もの開きがあり、文字通りに値千金の一完歩となった。追い込み決着なら2頭の出番という下馬評を実現したように、連覇を狙うウシュバテソーロにとっては今回も厄介な相手となる。
ニューゲート
牡49戦3勝[3-4-0-2]
これまでの戦績は9戦3勝2着4回と大崩れしないタイプ。前走はL.デットーリ騎手を背に、サンタアニタハンデキャップ(G1)を初制覇するなど、その実力は着実に開花している。調教師はB.バファート氏で、過去に4度のドバイワールドカップ制覇を成し遂げている。
ローレルリバー
牡69戦5勝[5-1-0-3]
昨年のBCダートマイルで有力候補とされていたが、獣医検査で回避。その後、今年初戦は7着惨敗したものの、前走でマイルG3を勝利している。今回初の2000mとなってどうか。
クルーピ
牡413戦4勝[4-2-4-3]
リステッド競走を2連勝し、その後のペガサスワールドカップでは3着。相手が強くなるここではどうか。
ウィルソンテソーロ
牡515戦7勝[7-2-0-6]
テソーロはテソーロでもウィルソンテソーロとなる決着シーンはあるか──。昨年はウシュバテソーロで世界を驚かせた了德寺健二ホールディングスが、今年は2頭出しで頂点を狙う。ここまでウィルソンテソーロはG1未勝利だが、昨年のチャンピオンズCは後手に回った序盤から猛然と2着に追い込む一方、続く東京大賞典では逃げてウシュバテソーロから半馬身差の2着に粘り込んだ。前走のフェブラリーSは久々のマイル戦で不本意な結果に終わったが、暮れに好騎乗を連発した原優介騎手とのコンビが復活する今回は巻き返しも期待できる。
ドゥラエレーデ
牡412戦2勝[2-2-2-6]
芝のホープフルSでG1制覇後に臨んだ昨年のUAEダービーではデルマソトガケに離されたものの2着。帰国して芝に戻った3戦はダービーでの落馬や古馬が相手の宝塚記念などで振るわなかったが、暮れのチャンピオンズCと東京大賞典で再びダートの強豪に挑むと、先行力を活かして3着と適性の高さを証明した。両レースで2着のウィルソンテソーロとはクビ差、東京大賞典で1着のウシュバテソーロとはさらに半馬身差。これから完成期を迎える4歳馬だけに逆転のチャンスもあるだろう。
ディファンデッド
セ621戦7勝[7-5-2-7]
2022年のオーサムアゲインステークス(G1)と2023年のハリウッドゴールドカップ(G1)を制したDialed In産駒の6歳馬。前走サウジカップ7着からの参戦となる。
ミリタリーロー
セ920戦6勝[6-4-0-10]
2021年1月にG2アルマクトゥームチャレンジラウンド1を勝利した後、2022年はわずか1戦のみと出走機会が限られていたものの、前走約3年2カ月ぶりの勝利で2度目の重賞制覇。9歳馬となるが衰えは感じさせない。
クラプトン
牡527戦6勝[6-4-8-9]
昨年のBCクラシック11着。今シーズンはドバイワールドカップの前哨戦に連戦し、どちらも3着とした。