デビュー当初は取りこぼしが続いたサングレーザーだが、初陣はダンビュライトの3着、初勝利の2戦目で2着に退けたのはその後に2歳王者となったサトノアレス、4戦目のホープフルSは5着だったが、勝ったのは後のダービー馬レイデオロと、強力な相手との戦いが続いた。3歳初戦の白梅賞では鞍上のアブミが外れて大敗するなど、キャリアの序盤は運が悪かった面も否めない

転機となったのは1400mに距離を短縮した7戦目。最後方から豪快に突き抜けてようやく2勝目を挙げると、怒とうの4連勝でスワンSまで勝ち上がり、マイルCSでも1馬身圏内の3着に好走して瞬く間に足場を固めた。今年は始動戦のマイラーズCをレコードで制し、夏には札幌記念で久々の2000mに挑戦すると、G1馬3頭との接戦を制して距離の可能性を拡大。2着だった前走の天皇賞・秋ではダービー馬レイデオロにこそ屈したが、菊花賞馬キセキ（3着）と皐月賞馬アルアイン（4着）には先着し、同世代のクラシックホースたちと互角の力関係にあることを証明した。

キセキは続くジャパンCで2着、アルアインもマイルCSで3着と結果を出しており、この比較においてもサングレーザーが国内最強クラスの実力馬であることは疑いようがない。充実の4歳秋を迎えて完成の域に達してきた今、この香港カップでG1初制覇を果たし、その地位を盤石の物としたいところだ。