香港マイル

Hong Kong Mile

2018/12/9(日) 16:55発走

香港国旗シャティン競馬場

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【香港マイル】木村拓人の見解

2018年12月08日 12:00

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 日本馬にとって香港スプリントが非常に高い壁となっているのは広く知られていると思うが、実は香港マイルも近年は日本勢の苦戦が目立っている。

 2000年代前半はエイシンプレストンやハットトリックが勝利し、他にも馬券圏内となった馬が見られていたが、そのハットトリックが勝利した05年から昨年までに馬券に絡んだのは、延べ18頭の参戦で15年モーリス(1着)と14年グランプリボス(3着)の2頭だけ。

 なかなか厳しい戦いになっているが、今年の香港マイルに参戦する日本勢は過去最強と言える布陣ではなかろうか。

 昨年のドバイターフを勝ち、今年も2着となっているヴィブロス。昨年のマイルCS勝ち馬で今年も2着となっているペルシアンナイト。今年の安田記念を異例とも言える連闘で制したモズアスコット

「日本勢上位独占も可能では?」と思わせる布陣だが、そこに地元香港の昨シーズン年度代表馬ビューティージェネレーションが大きな壁となって立ちふさがる。昨年も実馬を見ているが、当時はとにかく状態が良かったという印象が残っている。その後の戦績を見ていると状態だけではなく、馬も格段に良化していた瞬間だったのだと感じているが、そのイメージからさらに良化しているとなると、日本馬にとって厳しい戦いになるかもしれない。

 だが、筆者が特にオススメしたいのは日本馬ペルシアンナイトだ。皐月賞2着と早くから世代トップクラスの資質を示していたのだが、道中の折り合いが非常に難しく制御しきれない面もあった。

 そんな特徴を考慮して昨秋シーズンは菊花賞ではなくマイル路線に転向し、マイルCSを制覇。今年は春の大阪杯で2着、前走マイルCS2着と勝ち鞍はないものの、G1で2度連対を果たしており、現役トップレベルの一頭と呼べる実績を残している。

 典型的なたたき良化タイプで、復帰初戦は太めで気持ちも前向きとは呼べない状態で出走してくることが多い。今秋初戦となった富士Sは前がふさがる不利があっての5着だったが、やはり気配は物足りなく映った。前走も2着と善戦したものの、直前の動きや当日の雰囲気を見ていると、まだピークまでは仕上がっていなかったのではないかと推測している。

 もともと香港出走のプランがあり、ここにピークを合わせてくる可能性が高いはずだ。香港は速い時計も出るが、日本よりはやや重めの馬場という印象で、ハービンジャー産駒である本馬にとってもってこいの舞台。日本でも切れ味に長けた馬ではあるが、香港ならばさらにそれが生きてくるはず。ただ大外を引いてしまった点だけが気がかりだ。

 ヴィブロスも注目。自身のキャリアとしては中距離を中心に使われてきたが、2000m以上になると折り合いで苦労する場面も見られ、本質的にはマイラーではないかと考えている。友道厩舎はステップレースから本番へと急激にパフォーマンスを上げる馬が多く、前走の敗戦はさほど気にする必要はない。ドバイを2年連続で好走しているように海外への適性も高いと考えられ、近走の敗戦で評価が下がるならば積極的に狙うこともありでは。

 当然、地元のビューティージェネレーションも相当強い。昨年の覇者で今年は連覇を狙っての出走となるが、伏兵扱いされていた昨年とは違い、今年は完全に迎え撃つ側となった。

 特に前走の内容が圧巻。いつもは逃げ・先行策を取ることが多いのだが、前走はあえて後方に控えての形。3角手前で一気に先頭に並びかけると、直線入口では早くも先頭にたち、そこから外に逃げながらも2着に3馬身差をつける圧勝だった。

 負けるときは道中少し掛かり気味で直線伸びきれないというパターンだったのだが、前走のように控える形でも結果を出したことで信頼感はより増した。

 直線で外にヨレて行っている点は少し気になるものの、もはやレース内容から風格すら感じられ、国際レーティングは126と出走馬でダントツ。ブックメーカーのオッズを見ても1.8倍。2番人気がペルシアンナイトの8倍なので圧倒的な支持を集めている。12番枠と外目の枠を引いてしまったが、今年の本国際競走の目玉とも言える存在だ。

 もう一頭の日本馬モズアスコットも資質では負けていない。ただ前走は不利があったとはいえ、レース前からかなり入れ込んで相当な発汗を見せていた。中2週での遠征競馬となり、平常心で臨めるかどうかがカギとなるか。ただし、有力馬が外枠を引いたため、2番枠から運べる点は有利だ。

 大穴で注目しているのは香港のフィフティーフィフティー。今シーズンは千四以下で競馬をしているものの、昨シーズンはマイルG1スチュワーズCで2着があるように、距離の融通は利くタイプ。二走前には斤量差があり、内をうまくさばけたとはいえ昨年の香港スプリントの覇者ミスタースタニングに先着しているように、力量的にトップレベルと大きな差はない。道中の折り合いひとつでは面白い存在に。

 欧州勢はBCマイル5着のワンマスターが実績的に注目されるが、とにかく香港勢が強いレース。やや評価は下げておきたい。

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