今回の香港マイルで現役生活に別れを告げるヴィブロス。そのキャリアはチャレンジ精神にあふれていた。昨年はドバイターフに参戦して優勝。今年も連覇を狙ってドバイ遠征を敢行し、日本調教馬4頭の中で最先着の2着を確保した。また、今年は始動戦の中山記念から前走の天皇賞・秋まで4戦とも牡馬が相手。ドバイターフ2着、宝塚記念4着と掲示板を確保しており、昨年のドバイターフを最後に白星から遠ざかっているものの力を見せ続けている。

前走の天皇賞・秋は8着に終わったが、もともと叩き良化型で道中も力みが目立った。ドバイでは前哨戦から2年とも本番で内容を向上させているうえ、レース間隔も天皇賞から香港へのそれと1週異なるだけで、同様の変わり身が十分に期待できる。

チューリップ賞以来、実に2年9か月ぶりとなるマイル戦であることが鍵になるが、天皇賞のヴィブロスは1600mを1分33秒前後で通過しており、1分33秒40未満の速い決着になったことが1回しかない香港マイルなら対応できそうだ。日本で活躍中のW.ビュイック騎手を鞍上に迎え、日本、UAE、そして香港と3か国（地域）のG1を制覇した初の日本調教牝馬として、有終の美を飾ってほしい。