【香港ヴァーズ】市丸博司の見解
2018年12月07日 17:00

香港ヴァーズは、いつも「有馬記念5着ぐらいの馬が出走すれば勝てるのに」と思えてしまうレースである。しかし、有馬記念5着ぐらいの馬は有馬記念へ行くか、ジャパンCに出る。したがって、その狭間にやっている香港ヴァーズには、なかなか有馬記念5着ぐらいの馬が集まらなかった。
一昨年、ようやくサトノクラウンが勝って溜飲を下げた。昨年のキセキは今思えば本調子になかったのだろう。それでも、トーセンバジルが3着と格好をつけてくれた。こんな言い方をすると失礼かも知れないが、トーセンバジルは重賞未勝利馬である。今年は牝馬2頭だが、直前のGIエリザベス女王杯1・2着馬が出走してくる。期待せずにはいられない。
おや、今年は様子が違うぞ。そう思われる方も多いのではないか。サンクルー大賞を勝ち、凱旋門賞でエネイブルの4着に入ったヴァルトガイストが出てきたからである。
市丸流レーティングは、その馬の過去5走の最大値を掲示している。当然、ヴァルトガイストがトップだ。それは疑いない事実である。では、勝つのはこの馬で間違いないのか? いや、それはどうだろうか。
4月に休養明けで5着のあと、サンクルー大賞を含む4連勝。凱旋門賞でエネイブルから1馬身4分の3差4着。ここまでは見事である。しかし、前走のBCターフはエネイブルから13馬身以上離された5着。これはどうにも引っ掛かる。
では、市丸流レーティング2位のパキスタンスターはどうか。みなさんご存じのように、強いときは強い。クイーンエリザベス2世Cの強さに驚いた方も多いのではないか。しかし、途中でレースを放り出してしまう癖は、いつ出るかわからない。
となれば、実はどこからでも狙えるレース。そういえるのではないだろうか。
狙いたいのは、3位同点の3頭である。まずはイーグルウェイ。今シーズン5戦目。少しずつ調子を上げてきており、前走でついに香港G2も制している。強い馬が順調ならばともかく、混戦なら一発がある馬ではないか。
次にリスグラシュー。2000m未満で強い印象のある馬だったが、前走は2200mを快勝。4歳となって、持ち前の瞬発力が発揮できるレースなら距離は問わない感じになってきた。前半ややゆったりと流れてくれれば、あっさり勝っても何の不思議もない。
そして、ラトローブ。アイルランドダービー馬であり、ここ2戦G1で2着。イキのいい3歳馬で斤量も恵まれており、勝たれてみれば…という結末も十分予想できる。
この3頭を中心に、サルウィン、エグザルタント、クロコスミアあたりまで圏内ではないだろうか。上位2頭が本調子にないとするならば、このあたりで決まる可能性は低くないと考えている。