香港ヴァーズ

Hong Kong Vase

2019/12/8(日) 14:45発走※出走日時は日本時間

シャティン競馬場

日本馬挑戦の歴史

ステイゴールドが劇的ラストラン、日本馬は2勝も参戦した過半数が上位争い

日本調教馬は香港ヴァーズ創設元年の1994年から参戦し、2018年まで2勝止まり。苦戦状態の香港スプリントと勝ち星の数は同じだ。しかし、出走馬の過半数が4着以上に善戦しており、全体的な成績としては香港国際競走4レースの中で最も活躍してきた面がある。

2000年にG1昇格を果たした香港ヴァーズだが、日本調教馬の優勝はその2年目と早いものだった。この年に遠征したステイゴールドは、G1レースをはじめ重賞での惜敗が多く“善戦マン”のありがたくない異名を取ったが、6歳での重賞初制覇(目黒記念)、明け7歳の日経新春杯、そしてドバイシーマクラシック(当時G2)連勝と遅ればせながら実績を積み上げ、やり残したことは2着4回と跳ね返されてきたG1の壁を突破するだけとなった。

そうして、2001年の香港ヴァーズを引退レースに定めたステイゴールドは、この日も中団付近で折り合いに専念する自分の型に徹し、2番手追走のエクラールが早めにピッチを上げたのを見て追撃に出た。虚を突かれて見る見る離されていく他馬とは対照的に、唯一、エクラールを追い掛けたステイゴールドは、逆転不可能にも思われた差をジリジリと詰めると、最後の100mから羽が生えたように鋭進。最後の一完歩、首を突き出したわずかなタイミングの差で悲願のG1制覇を成し遂げ、これ以上ない形で有終の美を飾った。

ステイゴールドの劇的すぎる勝利後、日本馬は2005年のシックスセンスと2012年のジャガーメイルが2着に善戦したものの、2勝目を手にするまで15年もの空白期間が生じた。

2016年のサトノクラウンは皐月賞で1番人気に支持されるなど早くから才能を評価されていた一方、G1未勝利のまま香港ヴァーズで7度目の挑戦を迎えた。そこでは世界を股に掛けてG1勝ちを量産し、連覇を狙うハイランドリールが待ち受け、単勝1.5倍の圧倒的人気を集めた。それに対してサトノクラウンは20倍の7番人気の伏兵評価だったが、軽快に飛ばす王者を離れた位置からマークすると、直線の残り300mで4馬身ほどあった差をゴール前で大逆転。見事な金星でG1初制覇を飾った。

連覇を逃したハイランドリールだが、2017年に3年連続の遠征を敢行して2度目の優勝。この年はサトノクラウンと同様にG1未勝利の身で挑んだトーセンバジルも3着に食い下がった。そして、2018年にも直前のエリザベス女王杯で待望のG1制覇を飾ったリスグラシューがクビ差の2着と勝利に肉薄。日本調教馬は2400m路線における質の高さを証明し続けている。

馬名 性齢 着順 騎手 調教師
2018 リスグラシュー 牝4 2 J.モレイラ 矢作芳人
クロコスミア 牝5 10 岩田康誠 西浦勝一
2017 トーセンバジル 牡5 3 J.モレイラ 藤原英昭
キセキ 牡3 9 M.デムーロ 角居勝彦
2016 サトノクラウン 牡4 1 J.モレイラ 堀宣行
ヌーヴォレコルト 牝5 4 岩田康誠 斎藤誠
スマートレイアー 牝6 5 武豊 大久保龍志
2014 カレンミロティック セ6 5 池添謙一 平田修
2013 アスカクリチャン 牡6 7 岩田康誠 須貝尚介
2012 ジャガーメイル 牡8 2 D.ホワイト 堀宣行
2011 トレイルブレイザー 牡4 6 安藤勝己 池江泰寿
2010 ジャガーメイル 牡6 4 C.ウィリアムズ 堀宣行
2009 ジャガーメイル 牡5 4 C.スミヨン 堀宣行
2008 ジャガーメイル 牡4 3 M.キネーン 堀宣行
2006 ソングオブウインド 牡3 4 武幸四郎 浅見秀一
アドマイヤメイン 牡3 8 武豊 橋田満
2005 シックスセンス 牡3 2 四位洋文 長浜博之
2001 ステイゴールド 牡7 1 武豊 池江泰郎
1999 ローゼンカバリー 牡6 7 菊沢隆徳 鈴木康弘
1997 エイシンサンサン 牝5 12 武豊 坂口正則
1995 タニノクリエイト 牡3 4 蛯名正義 森秀行
1994 エイシンテネシー 牝5 4 増井裕 坂口正則