3歳として迎える最終レースで英ダービー馬の誇りを取り戻したい。今季初戦のトライアルから連勝で栄えある英ダービー馬に輝いたアンソニーヴァンダイクだが、その後はもうひと息及ばない競馬が続いている。ダブル制覇を狙った愛ダービーでは、大逃げを打った僚馬ソヴリンの影も踏めずまさかの2着に完敗。仕切り直しのキングジョージ6世＆クイーンエリザベスステークスでも、英ダービー前哨戦でこなしたはずの道悪に早々と手応えを失い、自身のために用意されたペースメーカーもかわせないまま10着と不甲斐ない内容に終始した。

夏場を休養に充てたアンソニーヴァンダイクは、距離を2000mに短縮して地元のアイリッシュチャンピオンステークスで再スタートを切った。しかし、僚馬たちと先団を形成して有利にレースを進めながら、前方のマジカルに突き放される一方、並走していたマジックワンドとの追いくらべにも後れを取って3着。追い出しが遅れた4着のディアドラにはゴール前の脚勢で明らかに劣っていた。再び距離を2400mに戻した前走のブリーダーズカップターフは、短い直線入り口で進路がふさがる不利もあっての3着だが、この2戦ともペースアップに反応し切れなかったことが最後に影響している。良馬場では崩れず走れており、その課題に対応できれば半年ぶりの勝機もめぐってくるはずだが。