雨後の筍の如く強豪が出現する香港のスプリント戦線で、次代のエース候補として台頭してきたコンピューターパッチ。昨年2月に豪州でデビューした際はサンパッチという馬名だった。現地では3戦1勝の成績を残し、デビュー勝ち後に挑戦したG2スカイラインSでは6頭立ての5着に完敗したものの、1着のマイクロフォンは続く世界最高賞金の2歳G1ゴールデンスリッパーSで2着、さらにイングリスサイアーズでG1制覇を飾り、3着のキャステルヴェキオもコックスプレートでリスグラシューの2着というレベルの高い相手関係だった。

香港では12月の移籍初戦から7戦3勝。今季は9月に始動すると、昇級戦のクラス1で4着に敗れたものの、それを最後に移籍当初から装着してきたクロス鼻革（口を開けるなどアゴの遊びに抑制効果がある）の使用をやめ、2戦目のナショナルデーCから舌縛りのみに変更した。すると行きっぷりが増し、ノーステッキの逃げ切りで重賞初制覇。続くプレミアボウル、前走のジョッキークラブスプリントは2着に敗れたが、前者は1着馬と3着馬が追い込む展開での短アタマ差、後者は発馬ひと息から先行して競られる格好になったうえ、直線半ばで一度は馬群に飲まれかけながら、差し返して2着確保と勝負根性を見せた。最近5戦連続で1番人気と現地では実力を認められており、主導権を握らせると厄介な存在となる。