香港カップ 2023/12/10(日) 17:40発走 シャティン競馬場

見どころPREVIEW

2度目の香港遠征となるプログノーシス。(Photo by 山根英一/アフロ)

ロマンチックウォリアーに死角ありも欧州勢が強力、日本勢はチャレンジャー

昨年はG1ホース4頭を含む5頭の精鋭で香港Cの4連覇を狙うも、地元の新星ロマンチックウォリアーに一蹴される形となった日本勢。今年は3頭に減り、G1勝ちの実績もなく挑戦者へと立場が変わるが、舞台実績のあるプログノーシスとヒシイグアス、未完の大器ローシャムパークというメンバーの質は劣っておらず、タイトル奪回のチャンスはある。

主役を担うのはやはりロマンチックウォリアーだろう。昨年、ダノンザキッドにつけた4馬身1/2差はG1昇格前の1999年にジムアンドトニックが記録した3馬身3/4差を更新するレースレコードという圧倒的なもの。今年4月のクイーンエリザベス2世C(QE2C)でもプログノーシスに2馬身差をつけて快勝と、額面通りに実力を発揮されると日本勢は苦しい。ただ、今回は豪州遠征からの帰国初戦という点に死角も見える。レース間隔を日本に置き換えると、ドバイ帰りでヴィクトリアマイルに出走するよりも1週短くタイト。その辺りにつけ込む隙があるかもしれない。

日本勢では対戦経験のあるプログノーシスが打倒ロマンチックウォリアーの一番手だろう。QE2Cでは2馬身差をつけられたが、スローペースの最後方から直線入口でもジェラルディーナに締められて脚を余した面がある。当時より出走馬全体のレベルが上がり、乗り慣れた川田将雅騎手で臨む今回は、より厳しくなるであろうペースを味方につけられる公算が高い。

ヒシイグアスは2年前の香港Cで2着。その後の2年間で計6戦と相変わらず使い込めず、近走成績も停滞している状況だが、陣営が前走の天皇賞(秋)時に良化途上を認めていた。今季初戦の中山記念でG1ホースらを豪快に差し切ったように実力は健在。2年前と同じくJ.モレイラ騎手を確保しており、体調次第で上位争いも期待できる。

ローシャムパークは実績で劣るが、その分だけ未知の魅力を秘める。函館記念、オールカマーの連勝でG1級の能力を見せ、C.ルメール騎手も素質を絶賛と“状況証拠”はそろっている。近親のルーラーシップが香港Cと同舞台のQE2C勝ちと血統的な後押しもあり、一気に頂点を極めても不思議はない。



前走コックスプレートを制したロマンチックウォリアー。(Photo by Getty Images)

今年は欧州勢も強力だ。アイルランドのルクセンブルクはレーティング123で、ロマンチックウォリアーとともに首位タイ。日本勢には厄介な相手が増えた格好になるが、前々で主導権を握る安定した取り口はロマンチックウォリアーにとってもプレッシャーとなるだろう。これまでロマンチックウォリアーのマークを受けてきた日本勢から見た時に、ゲームチェンジャーにもなり得る。

また、ハットトリックを祖父に持つフランスのオリゾンドレも侮れない。3歳馬ながらレーティング120は日本勢よりも上。レースでのアローワンス3ポンドを加えれば、ロマンチックウォリアーとルクセンブルクとともに実質首位となる。凱旋門賞前日のドラール賞など強烈な末脚で重賞を3連勝し、前走の英チャンピオンSも一旦は先頭に立って3着と地力を見せた。ここを勝ち切るだけの力はある。

ロマンチックウォリアー以外の香港勢では、前哨戦のジョッキークラブCを制したストレートアロンのC.ファウンズ調教師が、本番では4着か5着という控え目な評価。昨年の香港Cで3着、QE2Cでも4着(プログノーシスから1馬身差)のマネーキャッチャーを含め、勝ち負けには相当な展開の助けが必要か。

(渡部浩明)