香港スプリント 2023/12/10(日) 15:50発走 シャティン競馬場

日本馬挑戦の歴史JAPANESE HISTORY

厳しい戦いが続くも、レース創設当初より着実に前進

日本調教馬は香港スプリントの創設当初から国内最強クラスが積極的に参戦してきた。しかし、2022年までに延べ38頭が遠征した中で18頭が10着以下と半数近くが惨敗。2001年の初参戦から2011年までの前半11年間では、延べ14頭で9頭が10着以下に沈むなど実力の違いを見せつけられていた。

そうした状況で迎えた2011年だが、破竹の5連勝でスプリンターズSを制したカレンチャンが歴代最高の5着に善戦。これがきっかけとなって暗中模索の状況に光明が差す。2012年にはスプリンターズSでカレンチャンの連覇を阻止した厩舎の後輩ロードカナロアが、前年の雪辱を期すカレンチャンとともに香港スプリントに挑んだ。

そして、初遠征のロードカナロアは手応え良く好位を追走すると、残り100mから2馬身半抜け出して完勝。日本調教馬の惨敗の歴史に終止符を打ったロードカナロアは、翌年に高松宮記念、安田記念、さらにスプリンターズS連覇と日本の短距離戦線を制圧し、香港スプリントにも2年連続で参戦した。飛躍を遂げたロードカナロアは、成長を証明するようにレース史上最大の5馬身差で香港スプリントも連覇。この5馬身差は香港国際競走の4レースにおける着差記録として今なお破られていない。

続く2014年もストレイトガールが3着に食い込んで日本調教馬は3年連続の入着。10着以下の惨敗ばかりだったかつての姿を払しょくしたかに思われた。ところが、ストレイトガールが翌年に9着に終わると、その後もビッグアーサーやレッドファルクス、ファインニードルといったG1ホースたちが完敗。国内最強クラスをもってしても及ばない状態に逆戻りしてしまう。

この悪循環をロードカナロア産駒のダノンスマッシュが止める。父の連覇から6年後の2019年、息子は香港スプリントで8着に完敗するも、雪辱を期して再遠征した2020年には7着まで1馬身半差の混戦を断って父子制覇を成し遂げた。2021年に連覇を狙ったダノンスマッシュは大量落馬の煽りを受けて不本意な結果に終わったが、難を逃れたレシステンシアが牝馬として過去最高の2着に奮闘。2012年以降の後半11年は前進といえる成果を残している。

馬名 性齢 着順 騎手 調教師
2022 メイケイエール 牝4 5 J.マクドナルド 武英智
ナランフレグ 牡6 10 丸田恭介 宗像義忠
ジャンダルム 牡7 12 D.レーン 池江泰寿
レシステンシア 牝5 13 J.モレイラ 松下武士
2021 レシステンシア 牝4 2 C.スミヨン 松下武士
ダノンスマッシュ 牡6 8 川田将雅 安田隆行
ピクシーナイト 牡3 中止 福永祐一 音無秀孝
2020 ダノンスマッシュ 牡5 1 R.ムーア 安田隆行
タワーオブロンドン 牡5 13 W.ビュイック 藤沢和雄
2019 ダノンスマッシュ 牡4 8 L.デットーリ 安田隆行
2018 ファインニードル 牡5 8 川田将雅 高橋義忠
2017 レッツゴードンキ 牝5 6 岩田康誠 梅田智之
ワンスインナムーン 牝4 12 Z.パートン 斎藤誠
2016 ビッグアーサー 牡5 10 R.ムーア 藤岡健一
レッドファルクス 牡5 12 M.デムーロ 尾関知人
2015 ミッキーアイル 牡4 7 浜中俊 音無秀孝
ストレイトガール 牝6 9 戸崎圭太 藤原英昭
サクラゴスペル 牡7 12 Z.パートン 尾関知人
2014 ストレイトガール 牝5 3 岩田康誠 藤原英昭
スノードラゴン 牡6 8 大野拓弥 高木登
リトルゲルダ 牝5 14 M.デムーロ 鮫島一歩
2013 ロードカナロア 牡5 1 岩田康誠 安田隆行
2012 ロードカナロア 牡4 1 岩田康誠 安田隆行
カレンチャン 牝5 7 池添謙一 安田隆行
2011 カレンチャン 牝4 5 池添謙一 安田隆行
パドトロワ 牡4 14 安藤勝己 鮫島一歩
2009 ローレルゲレイロ 牡5 13 藤田伸二 昆貢
2008 ローレルゲレイロ 牡4 8 四位洋文 昆貢
トウショウカレッジ 牡6 9 池添謙一 池添兼雄
2006 シーイズトウショウ 牝6 10 池添謙一 鶴留明雄
メイショウボーラー 牡5 中止 福永祐一 白井寿昭
2005 アドマイヤマックス 牡6 11 上村洋行 橋田満
2004 サニングデール 牡5 7 福永祐一 瀬戸口勉
カルストンライトオ 牡6 14 大西直宏 大根田裕之
2002 ショウナンカンプ 牡4 10 藤田伸二 大久保洋吉
ビリーヴ 牝4 12 武豊 松元省一
2001 ダイタクヤマト 牡7 12 江田照男 石坂正
メジロダーリング 牝5 13 吉田豊 大久保洋吉