英インターナショナル
ステークス

International Stakes

2019/8/21(水) 23:35発走※発走日時は日本時間

ヨーク競馬場

日本馬挑戦の歴史

日本調教馬で唯一参戦したゼンノロブロイ(Photo by Getty Images)

未来の世界的名馬に足元をすくわれたゼンノロブロイ

G1クラスの超一流馬が休養している8月の開催ということもあり、英インターナショナルステークスに参戦した日本調教馬は2005年のゼンノロブロイしかいない。前年にテイエムオペラオー(2000年)以来となる天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念の“秋古馬三冠”を達成すると、年度代表馬のタイトルを引っ提げて初の海外遠征に臨んだ。

2005年のゼンノロブロイは英国遠征に備えて宝塚記念から始動した。有馬記念から半年ぶりの実戦ということもあって3着に敗れたものの、勝ち馬から1馬身余りと目標の英インターナショナルSを前に首尾は上々。本番には日・英・愛・伊の4か国から計7頭が集い、レース名通りの国際色豊かな一戦となった。

1番人気は4歳を迎えてG1未勝利ながら好走を続け、アスコット競馬場の改修によりヨーク開催となっていた2走前のプリンスオブウェールズステークスで2着とコース実績もあるA.オブライエン厩舎のエース。ゼンノロブロイはこれに次ぐ2番人気と高い評価を集めた。

レースはエースがハナを切って幕を開ける。ヨーク開催のハードウィックステークス2着から臨んだマラーヘル、前年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス勝ち馬ドワイエンと、5番人気を分け合う2頭が2、3番手を確保。さらに最低人気のニューモーニング、前年の英インターナショナルS2着馬で3番人気タイのノースダンサーが追走する。外から2番目の枠を出たゼンノロブロイがこれらを見ながら続き、最後方に3番人気タイのイタリア調教馬エレクトロキューショニストが収まった。

7頭がヨーク競馬場の長い直線まで一団で進むと、残り800mから一気にヒートアップ。逃げるエースは馬場の中央付近に進路を取り、マラーヘルとノースダンサーが内から追撃する。ゼンノロブロイはエースとマラーヘルの背後に突っ込み、外のドワイエンが遅れはじめて開いたスペースからエースの外に出た。ドワイエンの外に持ち出されたエレクトロキューショニストも接近し、200m地点で5頭が横一線に並ぶ大激戦。マラーヘルがエースをかわすと、最後の100mでゼンノロブロイが並び掛け、ゴールへあと2、3完歩と迫る。しかし、鼻面を出したほんのわずかな瞬間を外のエレクトロキューショニストがさらい、ゼンノロブロイは2着。つかみかけた栄光をクビ差で逃したのだった。

この日がゼンノロブロイに初騎乗だった武豊騎手は、ライバルたちを事前に映像で研究していたものの、イタリアのエレクトロキューショニストだけ確認できなかったことを明かしている。その時点のエレクトロキューショニストは直前のミラノ大賞でG1初制覇を飾ったばかり。イタリアから出るのも初めてという未知の面が多い存在だったが、翌年にはドバイワールドカップを制覇するなど、世界的名馬へと飛躍していった。

馬名 性齢 着順 騎手 調教師
2005 ゼンノロブロイ 牡5 2 武豊 藤沢和雄