英クラシックホースを両親に持ち、デビュー時から大きな期待を抱かれていたエラーカム。父は英2000ギニーなどG1レース10勝の最強馬フランケル、母は英愛1000ギニーなどG1レース5勝のアトラクションで、両親合わせて15冠というまばゆいばかりの良血を誇る。2歳時の9月にはデビュー2連勝で重賞初制覇を飾り、キャリアの滑り出しは期待に違わぬものだった。

しかし、ぶっつけ本番の3戦目で迎えた英2000ギニーでは、ディープインパクト産駒サクソンウォリアーの4着。巻き返しを期した愛2000ギニーでも6着に敗れてしまう。その後は英インターナショナルステークス前哨戦のヨークステークスで早めの抜け出しから3着に失速するなど、3歳の昨年はまさかの未勝利。秋には気道の手術が施された。

今季の初戦も重賞で4着に敗れたが、それからリステッドにクラスを落として3連戦すると、昨年のヨークSで差し込まれたサンダリングブルーに雪辱するなど2勝。きっかけをつかんで臨んだ前走のヨークSでは、満を持しての仕掛けから後続を3馬身余り突き放す完勝を収め、1年前からの成長をアピールした。昨年のサンダリングブルーは本番でも3着に善戦しており、目下の勢いとスケールアップした走りで上位争いに加わる可能性も十分にあるだろう。