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【世界の騎手紹介 Vol.6】トミー・ベリー

2018年06月05日 13:13

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トミー・ベリー騎手はオーストラリア出身。1991年1月21日生まれ。父は元騎手で、現在はオーストラリアのウォリックファームに厩舎を持つケビン。双子の弟であるネイサンは、重賞を制したこともある、将来を嘱望された騎手だったが、残念ながら2014年4月にノース(NORSE)症候群という極めて珍しい病気を患って23歳という若さで亡くなった。

10歳頃から父の厩舎を手伝っていたトミーは16歳だった2006年に騎手免許を取得。すると、瞬く間に頭角を現し、2009/2010年シーズンにはオーストラリア・ニューサウスウェールズ州における見習い騎手チャンピオンの座に就いた。

やがて名門ゲイ・ウォーターハウス厩舎の2番手騎手に収まったトミーは2012年9月のG1ゴールデンローズSをエポレット(ピーター・スノーデン厩舎。ウォーターハウス厩舎のカバヤンには当時の主戦ナッシュ・ローウィラーが騎乗)で制してG1初制覇。これで波に乗ると、翌年4月6日にはウォーターハウス厩舎のオーバーリーチでG1ゴールデンスリッパーS、4月20日にはG1ドンカスターマイルをセイクリッドフォールズ(クリス・ウォーラー厩舎)で優勝。さらにその勢いは留まることなく、今度は香港での短期免許初日(4月28日)にいきなりミリタリーアタックでG1クイーンエリザベス2世カップを制して、香港の競馬ファンの度肝を抜いた。

その後はウォーターハウス厩舎の主戦として、バンクーバーで2015年のG1ゴールデンスリッパーSに勝つなどする一方で、スポット参戦した香港でもデザインズオンロームで2014年のG1クイーンエリザベス2世カップや香港ダービーに優勝するなど大活躍。これで香港での評価を高めると、2015年前半にはフリーとなり、2017/2018年シーズンからは香港で通年騎乗を開始。勝ち星は20に留まったが、2018年5月にはG1チャンピオンズ&チャターCをパキスタンスターで制した。その後、家族が香港での生活に思うように馴染めなかったことを主な理由として、オーストラリアに帰国。現在はニューサウスウェールズ州を拠点に騎乗している。

上記以外では、シャトークアでG1・TJスミスSを2015年から3連覇したほか、2016年のG1チェアマンズスプリントプライズに優勝。G1オーストラリアンダービーは2016年にタヴァゴで勝ち、G1シンガポール航空国際カップも2014年、2015年とダンエクセルで連覇している。

近年のG1勝ち
2019年:
オールエイジドS(オーストラリア):ピエラータ

2018年:
チャンピオンズ&チャターC(香港):パキスタンスター

2017年:
TJスミスS(オーストラリア):シャトークア
ランドウィックギニー(オーストラリア):インファレンス
クイーンズシルバージュビリーカップ(香港):ヘレンパラゴン
スチュワーズカップ(香港):ヘレンパラゴン

2016年:
クイーンズランドダービー(オーストラリア):イーグルウェイ
チェアマンズスプリントプライズ(香港):シャトークア
TJスミスS(オーストラリア):シャトークア
オーストラリアンダービー(オーストラリア):タヴァゴ
香港ゴールドカップ(香港):デザインズオンローム

文:秋山 響(TPC)