【世界の騎手紹介 Vol.3】ザカリー・パートン
2018年04月17日 18:00
ジョアン・モレイラ騎手とともに、現在の香港を代表する騎手のひとり。愛称はザック。
ザカリー・パートン騎手はオーストラリア出身で、1983年1月3日生まれ。競馬とは無縁の家庭で育ったが、15歳で競馬の世界に飛び込み、17歳だった2000年に騎手ライセンスを取得。2002/2003年シーズンにはまだ見習い騎手の身でありながら、クイーンズランド州のメトロポリタン(主要競馬場)におけるリーディングを獲得した。
さらなる高みを求めてニューサウスウェールズ州シドニーに拠点を移し、2005/2006年、2006/2007年と2シーズン続けてランキング2位(1位は豪殿堂入りを果たすダレン・ビードマン騎手)。2006年にはエキサイツでG1・AJCサイアーズプロデュースSを制してG1初制覇を果たした。
2007/2008年シーズンからは香港での騎乗をスタート。2シーズン目に3位に食い込んで早くも頭角を現すと、2010年にはフェローシップでローカルG1(LG1)のスチュワーズCを制して待望の香港におけるビッグタイトルを獲得。2012年にはリトルブリッジとのコンビで英国ロイヤルアスコット開催のG1キングズスタンドSに優勝したほか、日本のワールドスーパージョッキーズシリーズに初出場して初制覇を決めた。
2013/2014年シーズンはそれまで13シーズン続けて王座に君臨していたダグラス・ホワイト騎手を抑えて香港のチャンピオンタイトルを獲得。この2014年にはアドマイヤラクティでオーストラリアのG1コーフィールドCに優勝したほか、母国を代表するマイル戦であるG1ドンカスターマイルをセイクリッドフォールズで優勝(ドンカスターマイルは2017年にも制覇)。2015年には日本でもエアロヴェロシティでG1高松宮記念を制した。
その後、2017/2018年シーズン、2018/2019年シーズン、2019/2020年シーズンと3シーズン続けてリーディングを獲得。特に168勝を挙げた2018/2019年シーズンの活躍は目覚ましく、ビューティージェネレーションで制したG1香港マイル、エグザルタントのG1香港ヴァーズなどを含むシーズンG1・7勝は香港新記録。シーズン最多獲得賞金記録(2億3498万9515香港ドル=約32億円)も塗り替えた。2020年には、新型コロナウイルスの検疫上の問題で騎乗できなくなったクリストフ・スミヨン騎手に替わって、急きょ手綱をとった日本のノームコアでG1香港カップを制している。
近年のG1勝ち
2020年
香港カップ(香港):ノームコア
チャンピオンズ&チャターカップ(香港):エグザルタント
クイーンエリザベス2世カップ(香港):エグザルタント
クイーンズシルバージュビリーカップ(香港):ビューティージェネレーション
2019年
チャンピオンズ&チャターカップ(香港):エグザルタント
チャンピオンズマイル(香港):ビューティージェネレーション
香港ゴールドカップ(香港):エグザルタント
クイーンズシルバージュビリーカップ(香港):ビューティージェネレーション
スチュワーズカップ(香港):ビューティージェネレーション
2018年
香港マイル(香港):ビューティージェネレーション
香港ヴァーズ(香港):エグザルタント
チェアマンズスプリントプライズ(香港):アイヴィクトリー
チャンピオンズマイル(香港):ビューティージェネレーション
ザギャラクシー(オーストラリア):インハータイム
クイーンズシルバージュビリーカップ(香港):ビューティージェネレーション
香港ゴールドカップ(香港):タイムワープ
2017年
香港カップ(香港):タイムワープ
ドンカスターマイル(オーストラリア):イッツサムホワット
2016年
香港マイル(香港):ビューティーオンリー
香港スプリント(香港):エアロヴェロシティ
ザJ.J.アトキンス(オーストラリア):セイクリッドエリクシール
ATCサイアーズプロデュースS(オーストラリア):ヤンキーローズ
文:秋山 響(TPC)