コラム

Column

【世界の騎手紹介 Vol.7】ライアン・ムーア

2018年06月12日 11:55

  • 友だち追加数

 冷静沈着な騎乗が光る、現在のヨーロッパを代表するジョッキー。アイルランドのエイダン・オブライエン厩舎の主戦を務め、2017年8月には通算G1勝利数を100に乗せた。

 ムーア騎手はイギリス出身で1983年9月18日生まれ。父ゲイリーも祖父チャーリーも調教師という競馬一家に育つ。弟のジェイミーとジュシュアも現役のプロ障害騎手で父の管理馬で同じ日に障害G1を勝ったこともある。妹のヘイリーもアマチュア騎手。

 ムーア騎手がユニークなのは障害でデビューして初勝利を挙げていること(2000年5月、16歳)。やがて賞金がより高く、より安全な平地に転向。リチャード・ハノン調教師(英チャンピオントレーナー5回。現在は同名の息子が厩舎を引き継ぐ)のバックアップを受けた2003年に英見習い騎手チャンピオンの座に就くと、23歳だった2006年には後に主戦を務めるマイケル・スタウト厩舎のノットナウケイトでG1英インターナショナルSを制してG1初制覇を果たすとともに、英チャンピオンタイトルを獲得。これは1974年にパット・エデリーが22歳でトップに立って以来、30年余りで最も若い年齢での戴冠だった。

 その後も、G1英ダービーをワークフォースルーラーオブザワールド、G1英オークスをスノーフェアリーマインディング、G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスSをコンデュイット、ハイランドリール、G1凱旋門賞をワークフォース、ファウンドで優勝するなど欧州最高峰のG1を次々に制覇。英チャンピオンタイトルも2008、2009年と2度追加している。

 その手綱は欧州以外でも冴え渡り、G1メルボルンカップをプロテクショニスト、G1香港カップをスノーフェアリーとモーリス、G1BCターフをコンデュイット(連覇)、マジシャン、ファウンドで制すなどG1勝ちを量産。日本でもG1ジャパンカップをジェンティルドンナ、G1マイルCSとG1天皇賞秋をモーリス、G1エリザベス女王杯をスノーフェアリーで連覇するなどすでにG1・7勝をマークしている。若手だった頃からイン強襲は十八番で、2010年のG1エリザベス女王杯ではスノーフェアリーに騎乗して、インから鮮やかに突き抜け、ファンに大きなインパクトを与えた。

近年のG1勝ち
2017年:
香港ヴァーズ(香港):ハイランドリール
チャンピオンズカップ(日本):ゴールドドリーム
BCジュベナイルターフ(アメリカ):メンデルスゾーン
レーシングポストトロフィー(イギリス):サクソンウォリアー
英チャンピオンズフィリーズ&メアズS(イギリス):ハイドレンジア
デューハーストS(イギリス):ユーエスネイビーフラッグ
サンチャリオットS(イギリス):ローリーポーリー
ジャンリュックラガルデール賞(フランス):ハッピリー
チェヴァリーパークS(イギリス):クレミー
英セントレジャー(イギリス):カプリ
愛セントレジャー(アイルランド):オーダーオブセントジョージ
愛フェニックスS(アイルランド) :スーネーション
英ナッソーS(イギリス):ウィンター
ロートシルト賞(フランス):ローリーポーリー
ファルマスS(イギリス):ローリーポーリー
コロネーションS(イギリス):ウィンター
コモンウェルスカップ(イギリス):カラヴァッジオ
プリンスオブウェールズS(イギリス):ハイランドリール
コロネーションカップ(イギリス):ハイランドリール
愛1000ギニー(アイルランド):ウィンター
愛2000ギニー(アイルランド):チャーチル
英2000ギニー(イギリス):チャーチル

2016年:
香港カップ(香港):モーリス
天皇賞(秋)(日本):モーリス
クイーンエリザベス2世S(イギリス):マインディング
デューハーストS(イギリス):チャーチル
フィリーズマイル(イギリス):ロードデンドロン
凱旋門賞(フランス):ファウンド
サンチャリオットS(イギリス):アリススプリングス
愛ナショナルS(アイルランド):チャーチル
愛メイトロンS(アイルランド):アリススプリングス
英ナッソーS(イギリス):マインディング
サセックスS(イギリス):ザグルカ
キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(イギリス):ハイランドリール
プリティポリーS(アイルランド):マインディング
ダイヤモンドジュビリーS(イギリス):トワイライトサン
ゴールドカップ(イギリス):オーダーオブセントジョージ
英オークス(イギリス):マインディング
仏2000ギニー(フランス):ザグルカ
英1000ギニー(イギリス):マインディング
ドバイターフ(UAE):リアルスティール

文:秋山 響(TPC)

ページトップへ