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【世界の馬主紹介 Vol.4】エリザベス女王

2018年08月02日 15:00

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現在のイギリス女王。イギリス王室は、今も王室が所有するアスコット競馬場を創設したことで知られるアン女王(在位1702~14年)、ダイヤモンドジュビリーで1900年の英三冠を達成したほか、1909年にはミノルで英ダービーに優勝して、歴代国王の中で唯一在位中に英ダービーを制したエドワード7世(在位1901~10年)など歴史的にも深い関わりを持ってきたが、エリザベス女王も競馬好きにかけては、彼らに勝るとも劣らぬものがある。

エリザベス女王は1926年4月21日生まれ。曾祖父は前記したエドワード7世で、父は英1000ギニーと英オークスの英牝馬2冠馬のサンチャリオットを所有したジョージ6世(在位1936~52年)。5歳から馬に乗り、若かりし頃には自らレースにも出場したことがあるという筋金入りのホースウーマンだ。

現在は25頭ほどの現役馬を所有している女王の馬主としての初勝利は1949年。障害レースに熱心だった母エリザベスとの共同所有馬だったモナヴィーンという障害馬で挙げたものだった。

女王が初めて手にしたトップホースはオリオールだろう。英ダービーは2着だったが、4歳時(1954年)には父と母の名が冠せられたキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスに優勝した。その後も女王は1957年の英オークス馬カロッツァ、1958年の英2000ギニー馬ポールモール、1974年の英1000ギニー馬ハイクレア、そして1977年に英オークスと英セントレジャーを制したダンファームリンと4頭で計5つの英クラシックに優勝。英クラシックで残すは英ダービーのみとなっている。なお、仏オークスも勝ったハイクレアはディープインパクトの曾祖母にあたる。

直近のG1勝ちは2013年。ロイヤルアスコット開催のG1英ゴールドカップをエスティメイトで優勝した。2018年はアメリカのG2ベルモントゴールドカップ招待ステークスをコールトゥマインド、イギリスのG3ウィンターヒルステークスをファブリケイトで勝って重賞2勝。2020年7月には2歳のG2ジュライSを自家生産馬のタクティカルで制した。

2020年のG1勝ち

なし

文:秋山 響(TPC